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ソーラーカーの車体重量は成人男性1人分、成形厚0.06mmの炭素繊維織物で実現材料技術(2/2 ページ)

工学院大学がソーラーカーレース「WSC 2015」に参戦するため開発した車両「OWL」は、車体重量が55kgと成人男性1人分よりも軽い。これは、成形厚0.06mmという新開発の炭素繊維織物を用いた炭素繊維強化樹脂で製造しているからだ。

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炭素繊維強化樹脂の利点「一体成形」にも挑戦

 OWLの車体製造では、この極薄の炭素繊維織物を使う以外に、車体の一体成形にも取り組んだ。通常の車体の製造工程であれば、複数の構成部品を別々に製造してから組み上げるのが一般的だ。しかしOWLが挑戦した一体成形は、炭素繊維強化樹脂の利点とされてはいるものの、成形のために巨大なオートクレーブが必要になるなど、複数の構成部品を別々に製造するよりも難易度が高い。この一体成形については、帝人の子会社であるジーエイチクラフトが担当した。

「OWL」の車体一体成形の概要
「OWL」の車体一体成形の概要(クリックで拡大) 出典:工学院大学

 帝人広報部から、ジーエイチクラフトで行われた車体の一体成形の様子を撮影した写真を提供してもらったので、ここに紹介しよう。

炭素繊維織物を車体の形にして(左)、樹脂成形の型(中央、右)の中に組み込みんでからオートクレーブに入れ、熱硬化樹脂による一体成形を行う(クリックで拡大) 出典:帝人
一体成形完了後の車体(クリックで拡大) 出典:帝人
仕上げ加工を行った後(左)、サスペンション取り付け部や屋根を組み付けるための加工を施していく(中央、右)(クリックで拡大) 出典:帝人
屋根を取り付け(左)、ほぼ「OWL」の最終形態となった状態(中央)。サスペンション取り付け部も組み込まれている(右)(クリックで拡大) 出典:帝人

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