ベッド上の患者の生体情報を一元管理するシステム:医療機器ニュース
パラマウントベッドは、ベッド上の患者の脈拍数・呼吸数を非装着で連続測定し、生体情報を一元管理する「スマートベッド システム」を発表した。取得した情報は、ベッドサイドの端末などと24時間リアルタイムで共有できる。
パラマウントベッドは2015年7月14日、ベッド上の患者の脈拍数・呼吸数を非装着で連続測定し、さまざまな生体情報を一元管理する「スマートベッド システム」の受注を2016年春に開始すると発表した。
スマートベッド システムは、ベッド上に寝ている状態のままで、体に何も装着せずに脈拍数や呼吸数、睡眠・覚醒などの状態を連続測定・検知し、スタッフステーションや電子カルテなどに情報をつなげるシステムとなる。ベッド上での起居・離床の状況や、ベッドの背上げ・膝上げ角度、ベッド全体の高さなどの状況も遠隔で把握できる。
また、テルモ製の通信機能付き測定機器HRジョイントなどをシステムの受信端末にかざすことで、測定した体温・血圧などの生体情報も読み込むことができる。
取得した情報は一元管理が可能で、ベッドサイドの端末や携帯端末、ナースステーションの端末などと24時間リアルタイムで共有できる。さらに、電子カルテと接続し、必要な情報を記録したり、生体情報の変化を自動的に分析し、異常時にアラーム発信することも可能だという。
現在、医療・介護施設では、人員不足に加え、高齢化に伴う容体変化リスクの高い患者の増加が予想されている。同システムは、看護記録の入力業務を大幅に軽減し、看護業務の省力化、正確性向上などにつながる他、介護施設・在宅で測定した生体情報を医療機関と共有することで容体変化が遠隔で把握できるため、重度化する前に通院を促すことも可能だとしている。
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