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電子カルテにデータを自動入力、通信機能付きのバイタルサイン測定機器国際モダンホスピタルショウ2014

テルモの「HRジョイント」やオムロンコーリンの「スポットチェックモニタ HBP-1600」は、血圧や体温などのデータを電子カルテに自動で送信できる測定機器だ。電子カルテの普及率が低いという状況ではあるが、こうした測定機器は手入力によるミスを防ぎ、データを転記する時間も短縮できるなど、利点は多い。

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 「国際モダンホスピタルショウ2014」(2014年7月16〜18日、東京ビッグサイト)では、血圧や体温などバイタルサインのデータを、測定機器から直接、電子カルテに送信できる製品がいくつか紹介された。

ICカードのようにかざすだけ

 テルモの「HRジョイント」は、NFCを搭載したバイタルサイン測定機器シリーズだ。体温計、血圧計、パルスオキシメータ、血糖値計などのラインアップがある。NFCとしてソニーの「FeliCa」を採用していて、NFCを搭載したリーダー端末にかざすと、測定したデータが電子カルテに送信される。

 測定項目と測定日時は、機器をかざせば自動で判別される仕組みになっている。体温計をかざせば「体温」の項目に、血圧計をかざせば「血圧」の項目にデータが入力されるので、カーソルなどを入力欄に合わせる必要がなく、転記のミスもなくなる。専用のサーバが不要なので、初期費用を低く抑えられる点も特長だ。

左=「HRジョイント」の測定機器。左から2番目がリーダー端末である。中央=血圧のデータを読み取っている様子。右=データが転送された画面。項目を指定しなくても自動で判別する(クリックで拡大)

 HRジョイントは、電子カルテメーカーと共同で開発された。入院患者の定期測定だけでなく、外来でも使用されている。あらかじめ患者に血糖値を測定し、その血糖値計を診察時に持参してもらい、その場で電子カルテにデータを送信するという。手書きで記録する必要もないので、患者の負担も減る。

RFIDを利用して送信

 オムロンコーリンのスポットチェックモニタ HBP-1600は、血圧と脈拍の測定データを電子カルテに自動で送信する血圧計だ。測定したあとに専用のボタンを押せば、ワンタッチで電子カルテにデータを送信できる。スポットチェックモニタ HBP-1600に対応した別売りの体温計とパルスオキシメーターは通信機能(RFID)を搭載していて、読み取る箇所にかざせば、体温とSpO2(動脈血酸素飽和度)の測定データも同様に転送することができる。


オムロンコーリンの「スポットチェックモニタ HBP-1600」(クリックで拡大)

 こうした電子カルテと連携するバイタルサイン測定機器の反応は上々だという。これまでにもニーズはあったが、通信用ICの搭載に伴うコスト増などの課題があった。また、電子カルテ自体の普及率が日本ではまだ低いという背景もある。電子カルテは導入コストが高いので、小規模な病院や診療所では特に低い状況だ。それでも、「電子カルテが普及し始めているのは間違いないし、測定機器の定価が多少上がっても、そのデメリットを補えるだけのメリットは提供できる」とテルモの担当者は述べている。

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