設計現場で20型4Kタブレット端末を使う意味:製造マネジメントニュース
パナソニックは、20型で4K解像度の業務用タブレット端末「TOUGHPAD 4K」の新製品を発表。その中で2014年夏に発売した設計現場向け製品の導入状況などを明らかにした。
パナソニックは2015年6月23日、4K(3840×2560画素)の画素数を持つ業務用タブレット端末「TOUGHPAD(タフパッド) 4K」の新製品2機種を発表。併せて、これまでの導入状況や取り組み状況について明らかにした。
TOUGHPAD 4Kは、ディスプレイサイズが20インチで、画素数が4K(3840×2560画素)のIPSα液晶パネルを搭載した業務用タブレット端末だ。同シリーズで、画像表示機能を強化し3次元CADも利用可能な「UT-MA6シリーズ」を2014年6月に発売している(関連記事:タブレットで3次元CADを扱う時代に! パナソニックの20型4Kタブレット新製品)。
設計現場での利用に最適化
同モデルは設計現場のレビュー用途を意識して製品化されており、A3用紙がそのまま表示できることが特徴だ。さらに、ダッソーシステムズ、ソリッドワークス、図研などのCADソフトに対応している。
各種展示会などで提案を継続的に進めてきたが、導入実績も増えてきているという。「既に自動車メーカーや機械メーカー、公共設備系のメーカーなどに導入が進んでいる。従来は紙で行ってきた業務を置きかえることにより業務効率を向上させる用途での利用が多い。特に紙で図面を印刷することができない機密性の高いメーカーなどには評価を受けている」と担当者は述べている。
さらに、タブレット端末である利点を生かし、持ち運べる利点なども実際に活用されているという。「さすがに大きくて重いので社外に持ち運ぶ話はあまりないが、設計データを現場に持ち込み、製造や営業、マーケティングなど他部門との打ち合わせで利用するケースなどがある。Windowsを搭載しているので、デザインレビューを行い、その場で決済をもらうというような使い方が可能だ」(担当者)。
設計・製造現場では、リードタイムの削減や付加価値の向上に向け、従来以上に早い段階でのデザインレビュー強化の動きが加速。また、設計と製造の一体化により設計部門と製造部門が両面から品質を追いこむ動きなども広がりを見せる。より自由に設計データを共有し議論ができるツールのニーズは高まっており、TOUGHPAD 4Kについても同様の利用が期待される。
今後はさらに「オートデスクやPTC、シーメンスPLMソフトウェアなど、他のCADベンダーとの協力を進め、より多くの設計現場で使えるようにしていきたい」(担当者)としている。
2018年度までに「TOUGHPAD」シリーズで200万台を突破
なお、新たに投入された新製品は「FZ-Y1CHBBZBJ」と「FZ-Y1CAAAZBJ」の2機種。FZ-Y1CHBBZBJは、従来機の特徴に加え、HDMI2.0を搭載し4K入力に対応していることが特徴。4Kビデオカメラや4Kカメラで撮影した高画質映像を高画質のまま大画面で表示し、ピント確認などが可能となる。映像制作用途や医療用途などでの利用拡大を進めていくとしている。価格はオープン価格だが、市場想定価格はFZ-Y1CHBBZBJが36万円、FZ-Y1CAAAZBJが33万円だという。
2012年から同社が投入する頑丈タブレット端末「TOUGHPAD」シリーズは2016年度には累計100万台を突破する見込みだという。今後はさらに製造業向けやビジネス用途向けなどに加え、映像制作用途、医療用途での導入を拡大。パナソニック AVCネットワークス社常務でITプロダクツ事業部長の原田秀昭氏は「2018年度までには累計200万台を突破したい」と述べている。
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