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なぜソフトバンクが“感情を持った”ロボットを作るのか、孫社長が熱弁Pepper(2/2 ページ)

ソフトバンク「Pepper」が、「人の感情を認識するロボット」から「自らの感情を持つロボット」へと進化し、その姿を現す。発表時からロボットの「心」にこだわってきた孫社長が熱弁を振った。

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――ソフトバンクにとってのロボット事業のインパクトは

孫氏: 向こう5年程度はほんの小さなものだろうが、30年後にはロボットがソフトバンクの中核事業の1つになっている可能性はある。Pepperはソフトバンクならではのユニークなモノを作れたという意味で非常に満足している。Pepperについては、今のPepper以外のPepperや、Pepperの形状ではないものも登場するかもしれない。

――製造業へのチャレンジという言う意味で、Pepperはソフトバンクにとって大きな挑戦になるのでは

孫氏: 私たちの理念は「情報革命で人々を幸せに」で、それはPCソフトの卸業からインターネット事業、通信事業と領域を拡大しても変わっていない。ロボットについても、メカトロニクスとしてのロボットには興味はない。興味があるのは、スマートロボット。ロボットが今後、情報革命の中軸の1つになると考えている。

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――家庭への本格普及には何が必要と考えるか。

孫氏: 「必要である」「役に立つ」も大事だが、心が通い合うこと必要だと思う。私自身、いろいろなロボットに興味があるけれど、ソフトバンクが得意なのはメカではなくIT。ITとクラウドで賢いロボットを作っていきたい。

――クラウドを使うというが、プライバシーやセキュリティへの配慮はどのようになっているか。

孫氏: 家庭内で得た情報は完全に家庭別で隔離されて保存される。我々でもそれは見ることはできない。たた、「アプリAを行った際の反応」などといった、しきい値情報などは共有させてもらう。クラウドには専門知識や経験といった領域に属するデータが蓄積され、条件反射的な動作挙動に必要なデータはローカルに保存される。

 ちなみに、初期型と現行型では「頭の回転速度が4倍(搭載CPUが違う)。現行型は高い処理能力を獲得したため、周囲の感情を認識および分析しながら、自身の感情も生成することが可能になっている。

――Pepperについては“作るほど赤字”とも取れるが、損益分岐はどのように考えているか

孫氏: いろいろなシーンで使ってもらってPepperが賢くなり、いろいろなアプリが登場してという流れがあれば、5年ほどでの黒字化を見込んでいる。5年間作り続けていれば量産効果も期待できるだろう。法人向けについてはちゃんと利益が出る料金体系となっている。

――2015年6月には1000台を販売すると言うが、今後の生産体制はどうするか

孫氏: 大量生産したいと思っているが、まだ難しい。当面は月産1000台を維持するのが目標。19万8000円という本体価格は現在のところ、製造コストを上回っている。

――家庭での利用を考えると、最も恐れるべきは“飽き”か

孫氏: 自分でもロボットを何体も買ったけど最終的には飽きた。Pepperで利用者を“飽きさせないこと”は開発を開始した1日目からこだわった。ジョークを含めた会話、絵日記、全てにおいて飽きさせないように考え抜いた。

 最強のアプリは「心」。日々変わっていく心があれば、飽きられない。ニュースや家族の反応でPepperが毎日変化する。命令しなくても、自らの意志でPepper家族を喜ばせるべく行動、発言する。

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