材料ライフサイクル管理システムの新製品「MaterialCenter 2015」を発表:CAEニュース
エムエスシーソフトウェアは材料ライフサイクル管理システムの新製品「MaterialCenter 2015」を発表。さまざまなCAEソルバーで使えるCAEモデルを直接生成することが可能だ。
エムエスシーソフトウェアは2015年6月10日、材料ライフサイクル管理システムの新製品「MaterialCenter 2015」を発表した。「MaterialCenter」は「MSC Nastran」「MSC Fatigue」「Marc」などのCAE製品、複合材料におけるマルチスケールモデリングのプラットフォーム「Digimat」などと直接連携可能な材料ライフサイクル管理システムだ。
最新版では以下のCAEソルバーで使えるCAEモデルを直接生成することが可能だ。CAE材料カードの個別での処理、バッチ生成もサポートする。MaterialCenterのCAE材料モデルも更新可能かつ追跡も可能だ。
- MSC Nastran
- Marc
- Ansys
- Abaqus
- LS Dyna
「MaterialCenter Explorer Integrated Client」と「MaterialCenter Explorer Desktop Client」には、エンジニアに多用されるCAEプリポストプロセッサツールとMaterialCenterを直接統合するための機能を実装した。プリ/ポストプロセッサから直接MaterialCenterにアクセスし、材料モデルを取得できる。同機能は以下の製品に対応する。
- MSC Software - Patran 2010-2014
- MSC Software - SimXpert 2012-2013
- MSC Software - Marc Mentat 2012-2015
- Beta/CAE - ANSA 15
同製品ではASTMとISOに規定される試験方法や基準に対応し、材料データの試験履歴を維持可能だ。試験を実施した日付も設計データとリンクできる。MaterialCenterに試験データを取り込むだけでなく、MATLAB、Python、Javaなどのツールも統合し自動計算することも可能だ。
ワークフローと承認フローを管理する「Work Request」、Webブラウザ上で材料データを作成・編集できる「Material Editor」も新たに追加した。
散布図、レーダーチャート、各種グラフなどのデータをグラフィカルに表示するため、2次元プロット機能も拡張した。
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