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アップル共同創業者が語る「起業時の技術者が持つべき気持ち」とは?LiveWorx 2015(2/2 ページ)

米国PTCおよび同社傘下のThingWorxは2014年5月4〜7日(現地時間)、米国マサチューセッツ州ボストンにおいてユーザーカンファレンス「LiveWorx 2015」を開催。同カンファレンスに伴って実施されたIoTハッカソンの表彰式では、アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏がトークセッションを行い、アップル創業時の自身の体験を振り返った。

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ウォズニアックが振り返るアップル創業期

 IoTハッカソンの表彰式に先立って行われたトークセッションでウォズニアック氏は、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏とともにアップルを立ち上げた創業期について「とにかくスティーブ(ジョブズ)も私もお金がなかった」と語っている。そのため「当時は収益性をとにかく考えなければならなかった。われわれはコンピュータが本当に好きで好きで仕方がなかったが、結果的にコンピュータを“ビジネスで活用すること”を考えた。当時はタイプライターが2000ドルする時代だったし、会社が行う事務や経理などの業務を代替できるような機能が実現できれば、投資してもらえると考えたからだ」と述べ、ベンチャー企業にとっての収益モデルの重要性を強調した。

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アップル創業期を振り返ったウォズニアック氏(クリックで拡大)

 結果的に「コンピュータを“プラットフォーム”にできたことが最終的な成功につながった」と話す。当時の業務用機器は単一の作業の代替をするもので、作業ごとに新しい機器を導入する必要があった。しかしコンピュータの登場により、さまざまな業務の“プラットフォーム”にコンピュータがなり、その上でさまざまなアプリケーションを稼働することができた。その意味ではIoTでもプラットフォームが重要になるということを示唆した。

 さらに「まずはコンピュータの良さを理解してもらえるまでは本当に苦労した」と当時の苦労を語る。しかしこの点については「仕方のないこと」として受け止めているようだ。「例えば、映画や音楽のようなコンテンツを見ても、人々に受け入れられるまでにはとても長い期間がかかっている。いくら性能や価値を説明したところで『欲しいと思う人』を増やしていくにはそれなりの時間がかかる」と話している。

“伝えたい”という気持ち

 これらの冷静な分析の一方で、エンジニアという立場で当時を振り返った時「とにかくコンピュータを開発するのが楽しくて楽しく仕方なかった。自分でも止めることができない情熱に突き動かされていた」と当時のウォズニアック氏自身を振り返っている。

 ウォズニアック氏の子どもの頃は、コンピュータに関する専門知識を教えてもらえる環境はなかった。しかし、航空・宇宙産業などを展開するロッキード・マーティンに父親が勤めていたことから、コンピュータに触れる機会を得たという。「当時はゲームのような感覚で触れていた。01で構成された秩序だった世界にすぐに魅せられてしまって、好きで好きで仕方なくなってしまった」と語っている。この中で「当時はそういう環境ではなかったが大学に行ってコンピュータを勉強したいと思った」と述べている。

 その後大学時代にジョブズ氏と出会い、最終的にアップル創業へと進むが、創業時には既にウォズニアック氏はHP(ヒューレット・パッカード)に就職していた。この頃も「コンピュータが好きで好きでたまらない状況は変わらなかった」とウォズニアック氏は述べている。その中で「もっとコンピュータを便利なものとして、より多くの人に使ってもらいたいという思いが芽生えていた」と同氏は振り返っている。最終的にこの思いがアップル創業へとつながることになる。

 ウォズニアック氏は「とにかくコンピュータが好きで好きで、ずっとコンピュータを作ることばかり考えてきた。独自にさまざまな試行錯誤をする中で、私の中でもコンピュータ―についての多くの知見が集まってきた。こうした知識や技術を集めて『私だったらこんなにコンピュータを便利なものにできる』とまとめたものを伝えたかった。そういう強い気持ちを持っていた」と語っている。歴史に残るパーソナルコンピュータ「Apple II」はそういう思いの下に生まれたと紹介した。

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ウォズニアック氏のトークセッションの様子(クリックで拡大)
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