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IoTで生み出す“デジタルの双子”、新たに解析企業の買収なども発表LiveWorx 2015(1/2 ページ)

米国の大手CAD/PLMベンダーであるPTCおよび同社傘下でIoTプラットフォームを展開するThingWorxは2015年5月4〜7日(現地時間)、米国マサチューセッツ州ボストンにおいてユーザーカンファレンス「LiveWorx 2015」を開催。基調講演に立ったPTC社長兼CEOのジェームズ・ヘプルマン氏は、IoTによる産業の変化を強調するとともに、新たに解析企業大手のColdLightを買収したことを明らかにした。

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 米国の大手CAD/PLMベンダーであるPTCおよび同社傘下でIoT(Internet of Things、モノのインターネット)プラットフォームを展開するThingWorxは2015年5月4〜7日(現地時間)、米国マサチューセッツ州ボストンにおいてユーザーカンファレンス「LiveWorx 2015」を開催。2015年5月5日に開催された基調講演に登壇した同社社長兼CEOのジェームズ・E・ヘプルマン(James E. Heppelmann)氏はIoTによって生まれる“デジタルの双子”を紹介するとともに、新たな買収案件を発表した。

 PTCは2013年12月にIoT関連のアプリ開発プラットフォームを展開するThingWorxの買収を発表(関連記事:PTC、「モノのインターネット」向けアプリプラットフォーム開発企業を買収)した他、2014年7月にはM2MベンダーAxedaを買収(関連記事:PTCがM2MベンダーAxedaを買収――“モノのインターネット”事業をさらに拡充)。IoT市場に参入し取り組み強化を進めている。

 ThingWorxは2009年に創業。IoTアプリケーションの開発基盤として、アプリ開発を簡単に行えるようにするIoTアプリ開発プラットフォームで先進的なポジションを得ている特徴的な企業だ。IoTではまず、センサーデバイスから得たデータをネットワークを介して通信し収集することになる。従来はカスタムでの開発基盤しかなかったところを、IoTに最適化された開発基盤とすることで、開発のコストを下げ、IoTへの参入を容易にしたことが特徴となる。

 ThingWorxのユーザーイベントは2013年末の買収後、2014年には初めてPTCと共同でPTCユーザーイベントと同時期に開催。2015年はあらためて独立イベントとしてPTCとの共同開催を実施した。

新たなリアリティの世界

 基調講演でヘプルマン氏は「IoTによりモノ(Things)は大きく変化する。フィジカルの世界とデジタルの世界がより密接に結び付くことにより、情報をそれぞれが行き来するような環境になる」とIoTによる変化を指摘。さらにこれらにより「Reality(現実性、現実感)」の捉え方が変わり「デジタルリアリティとフィジカルリアリティが相互に関係し合うような『New Reality』の世界が訪れる」とヘプルマン氏は主張する。

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基調講演に登壇したPTC社長兼CEOのジェームズ・ヘプルマン氏

 これらの変化により製品の開発環境も変わる。例えば、IoTにより製品が「スマートコネクテッドプロダクト(接続機能を持つスマート製品)」になると、常に顧客の手元で稼働する機器の情報が入手できることになる。そのため設計面で問題点などをフィードバックしたり、稼働状況を確認することで故障の予知などが可能となる。

 その例としてヘプルマン氏は、Santa Cruz Bicyclesと協力しスマートコネクテッドプロダクト化したマウンテンバイクを紹介した。同バイクは数多くのセンサーを搭載し、ハンドルの角度やタイヤの摩耗や各部の荷重や加速度などの情報を把握できる。これらのデータはThingWorxのダッシュボードでリアルタイムに把握できるようになっている。

photophoto スマートコネクテッドプロダクト化したマウンテンバイク(左)とセンサー情報を表示したダッシュボード(右)(クリックで拡大)※出典:PTC

 ただ、これらのデータを取得するだけでは現実における製品やビジネスの改善には結び付かない。最終的に改善に結び付けるためには「これらの情報が何を意味し、どうすべきなのか」という「Analytics(分析)」の領域が重要になる。その意味で分析までをデジタルの世界で一気通貫で実現する新しいアイデアとしてPTCでは「デジタルツイン(デジタルの双子)」を紹介した。

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