痛快ハンドリングの「S660」がクルマの楽しさを“どストレート”に発信:車両デザイン(2/2 ページ)
ホンダは、新開発の2人乗り軽オープンスポーツカー「S660」を2015年4月2日に発売する。「スポーツカーの醍醐味(だいごみ)である曲がる楽しさ」(同社)を実現するため、軽自動車のパワートレイン配置として一般的なFFではなく、MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)を採用した。
高級車「レジェンド」と同じステアリングアシストシステムも
椋本氏がS660の開発で最もこだわったのが「曲がる楽しさ」と「痛快ハンドリング」の実現だ。そのため、パワートレインのMR配置の他に、軽自動車初となるステアリングアシストシステム「アジャイルハンドリングアシスト」を採用した。同システムは2015年2月発売の新型「レジェンド」にも採用されており、適切な車輪に軽い制動力を与えることでドライバーが意図する走行ライン理想的にトレースするように働くシステムだ。
S660のターボエンジンは「Nシリーズ」など同社の軽自動車に広く搭載されている直列3気筒DOHCターボエンジンをベースに、スポーツカーにふさわしいエンジンレスポンスを実現するため、新設計のターボチャージャーを採用した。また、吸排気音、ターボチャージャー作動音、アクセルオフ時に過給圧を開放するブローオフバルブ音などに独自のサウンドチューニングを施し、スポーツカーならではの迫力あるエンジンサウンドを実現しているという。
オープンカーとする際の天井部は、脱着式のソフトトップ「ロールトップ」を用いている。ソフトトップの収納は、車両前部に設けた荷室を使う。
安全面では、ボディのフロントピラーとセンターピラーに補強材を追加して、横転事故での高い乗員保護性能を実現。助手席用エアバッグには、「世界初」(同社)となる「内圧保持式エアバッグシステム」を採用した。同システムは、従来と比べ長い時間内圧を保持できるのでさらに優れた乗員保護性能を確保できるという。また側面衝突時の衝撃を吸収するサイドエアバッグも標準装備にした。さらに、時速30km以下での追突防止を支援する「シティブレーキアクティブシステム」もオプションで選択可能になっている。
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