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スズキの2015年モトGP参戦車両は「コーナリングマシン」:エンジンはV型から並列に(4/4 ページ)
スズキのGPチーム 技術監督を務める河内健氏が、同社が2015年から2年ぶりに復帰する「ロードレース世界選手権」に向けた新型マシン開発の裏側について語った。これまでのマシンに搭載していたV型4気筒エンジンではなく、新たに並列4気筒エンジンを開発した理由とは何だったのか。
ついに完成した「GSX-RR」
コンセプトマシンであるXRH1の改良を続けたスズキは、2014年に同車のレイアウトを継承する新たなマシン「XRH2」を開発。これが2015年大会の参戦マシンであるGSX-RRとなった。
スズキは同マシンで、モトGPの2014年大会の最終戦であるバレンシアGPにワイルドカード参戦している。河内氏はその結果について、「予選は20位、決勝はマシントラブルによりリタイヤとなってしまった。しかし、2015年大会のドライバーであるアレイシ・エスパルガロ氏が、初めて乗るマシンで首位と1秒差、総合10位のラップタイムを記録するなど、正式復帰となる2015年大会に向けてまずまずのスタートを切ることができたと考えている」と語る。
スズキは現在、モトGPの2015年大会開幕戦となるカタールGPに向けて、急ピッチで最終準備を進めている段階だという。新開発の並列4気筒エンジンを搭載するGSX-RRの完成度について河内氏は、「コーナリングでタイムを稼ぐマシン作りは比較的達成できている。しかし、エンジン出力についてはまだ目標には達していない」とし、今後については「現在確保している高いコーナリング性能、マシンのコントロール性能を犠牲にすることなく出力を向上させ、一刻も早くトップグループに食い込めるように調整を進めていく」と語った。
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