スズキの電動バイクは可視光通信でスマホと連携、カシオが技術提供:東京モーターショー2013
スズキが「第43回東京モーターショー2013」に出展する電動バイクのコンセプトモデル「EXTRIGGER(エクストリガー)」には、カシオ計算機の可視光通信技術が搭載されている。
カシオ計算機(以下、カシオ)は2013年10月29日、スズキが「第43回東京モーターショー2013」(2013年11月20日〜12月1日、東京ビッグサイト)に出展する電動バイクのコンセプトモデル「EXTRIGGER(エクストリガー)」に、カシオの可視光通信技術が採用されたと発表した(関連記事:スズキが「ジムニー」をハイブリッド化、可視光通信電動バイクやモトGP参戦車も)。
可視光通信とは、人間の目に見える光の点滅でデジタル信号を伝える通信技術である。カシオは2012年4月、同技術を応用したスマートフォンアプリ「ピカピカメラ」を発表(関連記事:iPhone画面の可視光通信でメッセージを送れるアプリ「ピカピカメラ」 カシオが公開)。同アプリを使えば、LEDやスマートフォンの画面を点滅させて信号を送ったり、スマートフォンのカメラで点滅を読み取ってメッセージを受け取ったり送り返したりなどして、手軽に情報交換を行える。
スズキのEXTRIGGERは、より多くの人にバイクの楽しさを知ってもらうことをコンセプトとして開発が進められた。その中でスズキは、EXTRIGGERに楽しい遊び方を提供できるような情報発信機能の採用を検討。搭載が容易で、スマートフォンを使って手軽に情報を受信できるカシオの可視光通信技術を採用することにした。
EXTRIGGERは、車両の前面(ヘッドランプカバー上部)と、後面(テールランプ中央部)の2カ所に可視光通信専用の発光装置を搭載している。この発光装置が点滅して情報を発信する。この光の点滅を、「ピカピカメラ」を起動させたスマートフォンを向けて読み取れば、スマートフォンの画面にバイクから吹き出しが出る形でメッセージが表示される。この画面はそのまま写真データとして保存され、「ピカピカメラ」をインストールしたスマートフォンの間で交換することもできる。
今後は、市街地の店舗などに設置された点滅光源から発信される情報を読み取って、クーポンを受け取るなどの応用を想定。両社で、可視光通信技術を応用したバイクの新しい楽しみ方を提案していくとしている。
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