スズキが「ジムニー」をハイブリッド化、可視光通信電動バイクやモトGP参戦車も:東京モーターショー2013
スズキは、「第43回東京モーターショー2013」に、小型四輪駆動車「ジムニー」をベースに独自開発の小型軽量なハイブリッドシステムを搭載した「X-LANDER」や、可視光通信技術を搭載した電動ミニモト「EXTRIGGER」などを出展する。
スズキは2013年10月29日、「第43回東京モーターショー2013」(2013年11月20日〜12月1日、東京ビッグサイト)の出展概要を発表した。四輪車では、小型四輪駆動車「ジムニー」をベースに独自開発の小型軽量なハイブリッドシステムを搭載した「X-LANDER(エックス・ランダー)」をはじめ、4台のコンセプトモデルを世界初公開する。二輪車では、可視光通信技術を搭載した電動ミニモト「EXTRIGGER(エクストリガー)」など2台を世界初公開する予定だ。
⇒電動ミニモト「EXTRIGGER」の可視光通信技術の記事はこちら
今回のスズキの出展テーマは、「新しい物語をつくろう。」である。「お客様の日々の暮らしが一人ひとりの物語であると捉え、それぞれの物語に何かをプラスすることで、今までとは違う新しい物語をお客様とともに生み出したいとの思いを込めた」(同社)という。
四輪車のコンセプトモデルは全て、スズキの企業スローガンである「小さなクルマ、大きな未来。」に基づいた小型車となっている。まず、「Crosshiker(クロスハイカー)」は、前回の「東京モーターショー2011」に出展した「REGINA(レジーナ)」の次世代軽量プラットフォームを用いて、コンパクトなクロスオーバー車というコンセプトを提示したモデルである。REGINAのコンセプトを継承しながら、より躍動感の強いスタイリングを採用し、「遊び心を忘れない大人のためのクロスオーバーにふさわしいデザイン」(同社)に仕上げた。小型車ではあるものの、車両重量は軽自動車並みの810kgを実現。新開発の排気量1l(リットル)の3気筒エンジンを搭載し、動力性能と環境性能を高い次元で両立させているという。
X-LANDERは、ジムニーをベースに、排気量1.3lエンジンと新開発の自動制御マニュアルトランスミッションを搭載。四輪駆動システムに高効率モーターを組み込んだ小型軽量なハイブリッドシステムを採用し、最新の環境性能と高い走破性能を実現している。「このクルマで街に、時には野原で遊んで欲しい」(同社)をコンセプトに、オフローダーの持つ力強さと精密でメカニカルなイメージを融合させた、遊び心満載のデザインとなっている。
「HUSTLER(ハスラー)」は、「『自然が好き! アウトドアが好き! スポーツが好き!』というユーザーがターゲット」(同社)の軽自動車クロスオーバーコンセプトモデルである。HUSTLERのクーペモデルとなる「HUSTLER Coupe(ハスラークーペ)」も出展する。
電動ミニモトは「玩具感覚」かつ「本格的」
二輪車で世界初公開となるのは、EXTRIGGERと、コンパクトロードスター「Recursion(リカージョン)」だ。
EXTRIGGERは、小型自転車のようなコンパクトな車体に電動スクーター「e-Let's」の電動ユニットを搭載する電動ミニモトである。「より多くの人にバイクの楽しさを知ってもらうため、気軽に乗れて新感覚の楽しみ方を提案する電動バイク」(同社)として開発した。車両名も、「電動・クロスオーバー」を示すEXと、「きっかけ」の意味のトリガーを組み合わせた造語になっている。「玩具感覚」を持ちながらも、アルミフレームや倒立フロントフォーク、前後ディスクブレーキなど本格的な装備を搭載。可視光通信技術によって、店舗情報を受け取ったり、通信による仲間との新しいコミュニケーションが楽しめたりするという機能も備える。
Recursionは、中型バイクの車体に、新開発の排気量588cc水冷直列2気筒エンジンにインタークーラーターボを組み合わせたパワートレインを搭載している。「モーターサイクルのこだわりを形にしたスタイリングに、ビッグバイクの走りとミドルバイクの扱いやすさや経済性をダウンサイジングエンジンによって両立させた」(同社)としている。
さらに、二輪車レース「モトGP」への2015年復帰に向けて開発中の「モトGP参戦開発車両」も公開する。扱いやすく充分な加速力を得られるエンジン特性、燃費性能、耐久性を高い次元で実現する新開発の直列4気筒エンジンを搭載しており、車体は運動性能と空力性能の両面より、車幅を抑えたレイアウトを採用した。車体剛性、重量バランスの最適化を図り、「大型バイク「GSX-R」で培ってきた素直な操縦性が発揮できる、戦闘力の高いモトGPマシンを目指す」(同社)という。
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