設計だけでなく「経営改革」に貢献! “ビジネス”パートナーを目指すダッソー:PLMニュース(2/2 ページ)
ダッソーは、2015年の事業方針説明会を開催。2015年は新たに製品設計や生産領域だけでなく「経営改革」に対する提案を強化し国内のコンサルティングファームとの提携を進めていく方針を示した。また同社が注力する3Dエクスペリエンス・プラットフォームを基軸に、他社のCAD製品でも利用できるようなオープン化を進めていく方針を示した。
3Dエクスペリエンス・プラットフォーム最新版は「ロール」を追加
また、同社が推進する3Dエクスペリエンス・プラットフォームの最新版である「R2015x」を新たに発表。3Dエクスぺリエンス・プラットフォームは、ユーザーに新たな体験を提供するような製品開発や生産環境を、3Dデータを基軸に一貫して提供できるプラットフォーム。業務プロセスに応じて、CATIAやDELMIAなど複数の製品ブランドのアプリケーションを必要に応じて提示し、同プラットフォーム上でシームレスに利用できることが特徴となる。
最新版では、この業務プロセス別でのパッケージではなく、新たに「ロール(役割)」という概念を追加。プロダクトマネジャーや工程設計者など、組織における「役割」で製品ブランドをパッケージ化し、この役割を選択すれば自動的に必要なアプリケーションが同プラットフォーム上に表示されるようにしている。
ダッソーの3DSビジネストランスフォーメーション事業部テクニカルディレクターの野崎省二氏は「ロールごとに必要なアプリケーションをまとめて購入できるようにしたことで、よりユーザーが使いやすい形で提供できるようになった」と話す。
また、クラウド対応を強化し、従来はパブリッククラウドだけの対応だったが、新バージョンからはプライベートクラウドにも対応。その他、各部門間での情報のやりとりを活発化させるため、SNS(ソーシャルネットワークサービス)同様のソーシャルコラボレーション機能を追加した。ユーザーインタフェースも強化し、各種データを一元的に表示するビジネスダッシュボード機能なども加えている。
他社製CADへの対応などオープン化を推進
また、今後の開発方針として、「従来は3Dエクスペリエンス・プラットフォームについては、CATIA V6との組み合わせでの利用を推奨してきたが、CATIA V5から3Dエクスペリエンス・プラットフォームを利用できる接続インタフェースの開発を進めている」(野崎氏)という。
一方、既にSOLIDWORKS製品については、3Dエクスペリエンス・プラットフォームで利用可能なものが登場している(関連記事:デザインの意思決定が迅速化される「SOLIDWORKS INDUSTRIAL DESIGN」)が、競合各社の他のCADソフトについても同プラットフォームと連携して利用できるような開発も進めるという。野崎氏は「互換性や継続性を意識した開発を進めるとともに、従来以上にオープンネスを推進する」と語っている。
関連記事
- ダッソーが狙う「12×12×3」――日本で2016年に売上高500億円以上を目指す
ダッソーは、2014年の事業方針説明会を開催。12の産業別提案、12の地域別提案、3つのチャネル政策を組み合わせた成長を進め、2016年に日本での売上高500億円以上を目指す方針を示した。また同社が注力する3Dエクスペリエンス・プラットフォームにソーシャル・コラボレーション機能を加えることも発表している。 - “体験経済”時代のプラットフォームを目指すダッソー、カバー領域をさらに拡大
ダッソー・システムズは年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2014」を開催。それに先立ちフランス本社の社長兼CEOのベルナール・シャーレス氏が記者会見を行い、製造業を取り巻く環境の変化と同社の取り組みについて説明した。 - 先手を打ったマツダの製造業革命――真の“コンカレントエンジニアリング”がもたらす新しい価値
それは、生き残りをかけた究極のイノベーションであり、産業史にも残るものであろう。マツダが次の飛躍に向けて進める大胆な開発・生産プロセス改革の深層を追った。 - モノづくり支援環境はこう変わった! 各社のトレンドを歩く
2012年6月に開催した第23回 設計・製造ソリューション展に見た業界トレンドをレポートする。今回は業務プロセス改革や、最新IT技術を駆使した展示を中心に見ていこう。 - ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.