トヨタ、過去最高益も視線の先には「持続成長」:製造マネジメントニュース
トヨタ自動車は2014年度第2四半期累計(4〜9月期)決算を発表した。日本市場では消費増税による反動減などの影響を受けたものの、継続的に取り組んできた原価改善努力や営業努力などによって、上半期(4〜9月)としては過去最高の営業利益、当期純利益を達成した。
トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2014年11月5日、2015年3月期(2014年度)第2四半期累計(4〜9月期)の決算を発表。上半期(4〜9月)としては過去最高の営業利益と当期純利益を達成した他、通期業績も上方修正し、純利益が2兆円となる見通しを示した。
過去最高の営業利益と最終利益
トヨタの2014年度第2四半期累計決算は、売上高が前年同期比3.3%増の12兆9455億円、営業利益が同7.7%増の1兆3519億円、当期純利益が同8.7%増の1兆1268億円という好結果となった。上半期で見た場合、営業利益が今までで最高だった2008年3月期を更新した他、当期純利益は2年連続で過去最高を更新する結果となった。
自動車販売台数は、消費増税による駆け込み需要の反動減があった日本や、補助金などの特需の反動や政治不安を抱えるタイなどで落ち込んだものの、北米や欧州などで好調が持続。グループ総販売台数では、前年同期比5万1000台増の503万2000台となった。
またこれらの好実績を受けて通期の業績見通しも上方修正した。売上高は前回予想比8000億円増の26兆5000億円、営業利益は同2000億円増の2兆5000億円、純利益は同2200億円増の2兆円となる見通しを示す。
逆境を上回る内部構造の強化
今回の実績についてトヨタ取締役副社長の小平信因氏は「大きな要因の1つとして為替が円安になったことがあることは事実だ。しかし、今期については研究開発費や設備投資比を増額するなど固定費は増加する一方で、日本をはじめとした既存市場での販売台数減少の影響も受けた。さらに販売車種構成比を見ても収益面から見るとやや悪化しており、マイナスの要素が数多くあった。これらを継続して取り組んできた原価改善や販売努力で乗り越えて、過去最高の実績を残すことができたことに価値がある」と語っている。
また過去最高益という結果についても「見ているのは『持続的成長を実現する体制をどう作るか』ということで過去最高の実績ということについてもそれほど意識はしていない」と小平氏は述べている。
「意思ある踊り場」を継続
同社では2014年度について「『意思ある踊り場』とし、成長への礎としていく」(同社取締役社長 豊田章男氏)としており、「販売台数1000万台の規模にふさわしい基礎固めに取り組んでいる。持続成長に向けた仕事のやり方の改善や人材の育成、競争力の強化などに取り組んでいる」(小平氏)という。
具体的には、北米地域の本社機能を集約した「ワントヨタ化」への取り組みや、2015年から投入予定の「Toyota New Global Architecture(TNGA)」による自動車開発、OJTおよび海外との技術交流などの取り組みを重ねているという(関連記事:“4つの力”を1つに! トヨタが北米本社機能をテキサス州ダラスに集約)。
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