“4つの力”を1つに! トヨタが北米本社機能をテキサス州ダラスに集約:製造マネジメントニュース
トヨタは、製造、販売、金融などの北米本社機能をテキサス州ダラス北部のプレイノに集約することを発表した。従来はケンタッキー州、カリフォルニア州、ニューヨーク州などに点在していたが、拠点を一元化することで効率化を進める。
トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2014年4月29日、北米における製造、販売、金融の本社機能をテキサス州ダラス北部のプレイノに移転することを発表した。拠点を一元化することで各機能間での連携・効率化を進め、北米市場における持続的成長を目指すという。
同社は、北米において、研究開発と生産を担うトヨタ・モーター・エンジニアリング・アンド・マニファクチャリング・ノース・アメリカ(以下、TEMA)、販売を統括する米国トヨタ自動車販売(以下、TMS)、広報・渉外活動などを行うトヨタ・モーター・ノース・アメリカ(以下、TMA)、金融を担当するトヨタ・モーター・クレジット(以下、TMCC)の4つの本社機能を持っており、それぞれケンタッキー州、カリフォルニア州、ニューヨーク州などに本社拠点が点在している状況だった。これらの4つの本社機能をテキサス州プレイノの同一敷地内に集約することで、各本社が統括する機能をまたいだ連携が、北米内で完結するようにすることが狙いだ。
異動対象は約4000人で、2014年夏から一部が異動を開始する。新社屋が完成予定の2016年後半から2017年初頭にかけて、大部分の従業員が異動する計画だ。ただTMCCについては2017年以降の移転となる。各事業体は引き続き現在の社名と機能を維持するが、今後さらなる連携の検討を進めていくとしている。
従来テキサス州ダラス近郊にはトヨタの拠点はなかったが、同地域を選んだ理由については「経済、地勢、気候、交通などの状況から本社拠点としてふさわしい環境が整っていることに加え、従来拠点がなかった中立的な地域に新たな拠点を築くことで、ゼロから共通のビジョンを作り上げられるという点を重視した」(同社広報部)としている。さらに、テキサス州ダラスは、同社が保有する米国内およびメキシコ、カナダなどの拠点との時差が少なく、米国アメリカン航空のハブ空港があるため、主要各地域と直行便が用意されているという利点がある。
一方、今回の集約と同時に、TEMAの調達部門約250人はミシガン州ヨークにあるトヨタ・テクニカル・センター(以下、TTC)に異動する。生産技術部門約300人はケンタッキー州ジョージタウンのトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキーにそれぞれ異動するという。
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