三菱樹脂、アルミナ繊維「MAFTECマフテック」の製造設備増設――2015年春完成:工場ニュース
2015年度には現在の製造能力(約6000t/年)では供給の限界が見込まれるため、約500t/年の製造設備を増設する。既存インフラの活用などにより、工期が最も短縮できる坂出工場(香川県坂出市)への増設を決定した。
三菱樹脂は2014年8月5日、坂出工場(香川県坂出市)にアルミナ繊維「MAFTECマフテック」の製造設備増設を決定したと発表した。
MAFTECマフテックは、1600℃を超える高温環境下でも、長時間の断熱性能やクッション性が維持できるアルミナ繊維。製鋼用断熱材や自動車の排ガス処理装置のための触媒コンバータ、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)のサポート材として使用されている。特に、触媒コンバータやDPFのサポート材料としての世界シェアは約40%(同社推定)に達するという。
同社では、近年増加傾向にある自動車の排ガス処理装置の市場に対して、これまで既存の生産ラインの能力増強などで対応していた。しかし2015年度には、現在の製造能力(約6000t/年)では供給の限界が見込まれるため、約500t/年が製造可能な設備を増設することを決定。坂出工場への設備増設は、既存インフラの活用などで工期が最も短縮でき、市場の需要に最も早く対応できるという理由からで、完成は2015年春を予定する。
また同社では、世界的な排ガス規制強化の動きに伴い、今後もアルミナ繊維の需要増加が予想されることから、メーカーとして安定供給を図るため、さらなる増産の検討もするとしている。
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