工場向けIoTが加速! GEがNTTドコモ回線採用の産業用ワイヤレスルータ発売:FAニュース
GEは、インフラ機器同士の無線通信を行う産業用ワイヤレスルータ「MCR Orbit 3G wireless router」を発売する。NTTドコモの通信回線を利用する。
GEで送配電機器を扱う部門であるGEデジタルエナジーは2014年7月10日、さまざまなインフラ機器の無線通信を簡単に実現する産業向けワイヤレスルータ「MCR Orbit 3G wireless router」を同年9月から日本で発売すると発表した。
GEでは全社をあげて「インダストリアル・インターネット」を推進(関連記事:GEが100年にわたりイノベーションを生み続けられる秘訣とは)。これは、IoT(Internet of Things)やM2M(Machine to Machine)により同社が提供するインフラ機器から得られる情報を、ビッグデータ分析により読み解き、新たなサービスとして顧客企業に還元する仕組みだ。
これを実現するためには、機器同士が通信ネットワークを介して互いに情報をやりとりし、各機器が自律的に高度な制御や動作を行うことが必要になる。しかし、これまで産業機器や設備に設置されたセンサーで取得したデータは、専用回線を敷設して受発信させるか、またはストレージなどに格納し、人手を介してデータを回収する必要があった。
新製品は、接続するだけで携帯電話の3G回線を使用し、センサーデータの受発信が可能となるため、接続や設置などの負担の少ないデータ取得が可能となる。例えば、遠隔地にある送配電用設備、高所にある風力発電施設、建設現場など劣悪な環境下に設置された機器のセンサーなどからのデータ送信が可能。新たな通信用免許の取得や、設備投資をすることなく、フィールド作業員と産業機器間のセキュアな通信を実現できる。
新製品ではNTTドコモの通信回線を採用。また産業機器のデータという秘匿性の高い情報を取り扱うことから機器、顧客企業、ネットワークのセキュリティを保護する包括的なフレームワークを採用している。さらにClass1 Division2認証を受けた堅牢な筐体を採用しており、過酷な環境においても利用できる。
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