「アウトランダーPHEV」が3回目のリコール、エンジン制御と電池管理に不具合:2度あることは3度ある
三菱自動車は2014年4月4日、プラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」のリコールを国土交通省に提出した。対象となるのは2013年1月17日〜2013年11月7日に製造した6517台。リコール原因は、リチウムイオン電池パックの電池管理の制御プログラムや、エンジンとプラグインハイブリッドシステムの制御プログラムなど3項目にわたる。
三菱自動車は2014年4月4日、プラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」のリコールを国土交通省に提出したと発表した(同社のWebページ)。対象となるのは2013年1月17日〜2013年11月7日に製造した6517台。
アウトランダーPHEVが単独でリコールを提出するのは今回で3回目になる。1回目は、2013年4月で、不具合原因は走行用モーターとその制御システム、発電機にあった。2回目は、同年6月で、製造工程に由来するリチウムイオン電池セルの不良品による不具合が原因だった。特に2回目のリコール提出のきっかけになった、同年3月末に発覚したリチウムイオン電池パックの溶損事故は、電気自動車やプラグインハイブリッド車で国内初の事例だったこともあり注目を集めた。
4つのECUの制御プログラムと点火プラグに不具合
今回のリコール原因となる不具合は3つある。1つ目は、リチウムイオン電池パックの電池残量を計算するバッテリーマネジメントユニット(BMU)の制御プログラムの不具合である。外部充電やチャージモードを利用せずに、「ハイブリッド走行モード」のみで使用を続けると、実際の電池残量が正しく残量メータに表示されないことがある。このため、残量メータでは電池残量があるように表示されているが、実際の電池残量は減少しており、EVシステム警告灯の点灯なく走行不能になるおそれがある。
2つ目の不具合は、エンジンとプラグインハイブリッドシステムを制御する各ECU(電子制御ユニット)の制御プログラム、および点火プラグである。エンジンが低温の状態で短時間の運転と停止を繰り返すと、点火プラグのくすぶりが発生することがある。このためにEVシステム警告灯が点灯し、エンジンによる充電を行わない電池残量の範囲でのEV走行のみに制限され、そのまま走行を続け電池残量が無くなると、走行不能になるという。
3つ目は、リチウムイオン電池パック内の各電池セルを監視するセルモニターユニット(CMU)の制御プログラムの不具合だ。パワースイッチオフもしくは充電が終了して車両が停止していても電力消費が継続し、電池セル電圧が低下し続けることがある。このため、外部充電ができなくなり、走行時はEVシステム警告灯が点灯し、エンジンによる充電を行わない電池残量の範囲でのEV走行のみに制限されるとともに走行出力と最高速度が制限される「フェイルセーフ状態」に入ってしまう。このまま走行を続け電池残量が無くなると走行不能になる。電池セルの電圧低下の状態によっては、始動できなくなるおそれもある。
なお、1つ目と2つ目の不具合によるリコールの対象車は、6517台のうち4621台にとどまる。3つ目の不具合については6517台全てが対象だ。
改善措置は4月4日から始める。リコール対象となる車両について、BMU、エンジンECU、プラグインハイブリッドシステムECU、CMUの制御プログラムを対策品に書き換える。2つ目の不具合については、点火プラグも交換する。
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