マツダの「i-ELOOP」に不具合、「アテンザ」と「アクセラ」計2.7万台をリコール:エコカー技術
マツダは、「アテンザ」と「アクセラ」のリコールを国土交通省に提出した。対象となるのは、2012年10月2日〜2014年1月9日に製造した2万7627台。リコール原因は、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」に用いられている電気二重層キャパシタの故障判定プログラムにあった。
マツダは2014年4月3日、2012年11月発売の「アテンザ」と2013年1月発売の新型「アクセラ」のリコールを国土交通省に提出したと発表した(国土交通省のWebページ)。対象となるのは、アテンザが2012年10月2日〜2014年1月9日に製造した2万7522台、アクセラが2013年9月4日〜12月13日に製造した1855台で、累計2万7627台。
リコール原因は、エンジン制御コンピュータのソフトウェアのうち、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」の蓄電デバイスである電気二重層キャパシタの故障判定プログラムにあった。キャパシタが正常であるにもかかわらず故障と判定し、オルタネータの発電を停止して、充電警告灯が点灯するとともにディスプレイに「充電システム異常」と表示されることがある。そのまま走行を続けると、鉛バッテリーの電圧低下が発生し、段階的にエンジン警告灯の点灯や加速不良が発生し、最悪の場合、エンジンが停止して再始動できなくなるおそれがあるという。
この不具合は市場からの情報で判明した。国内での不具合件数は42件で事故は起きていない。
改善措置は4月4日から始める。リコール対象となる全ての車両について、エンジン制御コンピュータのキャパシタ故障判定プログラムを書き換える。
なお、i-ELOOPについては、2013年3月にもリコールが提出されている。リコール原因は、キャパシタに蓄積した電力を、電装品や鉛バッテリーで扱える12Vの電圧に降圧するのに用いるDC-DCコンバータだった(関連記事:新型「アテンザ」がリコール、「i-ELOOP」のDC-DCコンバータが原因)。
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