新型「アテンザ」がリコール、「i-ELOOP」のDC-DCコンバータが原因:エコカー技術
マツダは、新型「アテンザ」のリコールを国土交通省に提出した。対象となるのは、2012年10月2日〜2013年3月8日に製造した8902台。リコール原因は、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」のDC-DCコンバータである。
マツダは2013年3月26日、2012年11月に発売した新型「アテンザ」のリコールを国土交通省に提出したと発表した(国土交通省のWebページ)。対象となるのは、2012年10月2日〜2013年3月8日に製造した8902台。
リコール原因は、アテンザに標準搭載されている減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」のうち、大容量キャパシタに蓄積した電力を電装品や鉛バッテリーで扱える12Vの電圧に降圧するのに用いるDC-DCコンバータである。DC-DCコンバータ内部の電子基板上に実装したコンデンサに亀裂が入っているものがあり、そのコンデンサが短絡を起こす可能性がある。その場合、DC-DCコンバータが溶けて、火災に至ることもあるという。この不具合は、海外市場からの情報で判明した。国内では不具合報告はなく、事故も起きていない。
3月27日から改善措置を始める。リコール対象となる全ての車両のDC-DCコンバータを、不具合のない対策品と交換する。加えて、交換時にハーネスを傷付けないよう、ハーネスにプロテクターを追加する。
なおリコール対応の当初は、対策品のDC-DCコンバータの不足が見込まれている。対策品のDC-DCコンバータに交換できない場合には、暫定的にDC-DCコンバータに電流が流れないようなショートカットを行うとともに、エンジン制御プログラムを書き換える。対策品が準備でき次第、DC-DCコンバータを交換し、ハーネスへのプロテクターの追加と、エンジン制御プログラムの再書き換えを行うとしている。
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