2回のデザイン変更を越えて完成、新型「アテンザ」は獲物を狙う肉食獣:車両デザイン
マツダの新型「アテンザ」のエクステリアデザインは、SUV「CX-5」に引き続き、デザインテーマ「魂動」を採用している。獲物を狙う肉食獣をイメージした同車のデザインが完成するまでに、2回のデザイン変更が行われたという。
マツダが2012年11月20日に発売する新型「アテンザ」。新型アテンザのエクステリアデザインは、SUV(スポーツ多目的車)「CX-5」に引き続き、デザインテーマ「魂動(こどう)−Soul of Motion−(以下、魂動)」を採用している。
魂動の特徴である、フロントノーズの中央底部からヘッドランプに向かって流れる「シグネチャーウイング」を特徴とするフロントフェイスによって、「従来のマツダ車の『笑っている顔』から『端正な顔つき』になった」(マツダ)という。
フロントフェイスから車両の側方に向かって走るキャラクターラインによって、魂動を採用するCX-5よりも、さらに踏ん張り感と前進感をもたらしている。このキャラクターラインは、車両後部に向かって広がり、かなりの厚みを持つリアフェンダー部につながっている。これらのデザインは、「獲物を狙う肉食獣のしなやかな筋肉の動きをイメージしている」(同社)。
2年もの月日をかけて完成したデザイン
新型アテンザのエクステリアデザインは、通常の新車であれば8カ月で済むところを、2年もの月日をかけて完成させた。これだけ時間がかかったのは、デザインを2回も変更したからである。
まず、1回目のデザインは、新型アテンザにふさわしくないと判断され、新たにデザインをやり直すことになった。しかし、2010年9月発表に発表した、魂動を体現するコンセプトカーとして知られているの「靭(SHINARI)」が欧州市場で好評だったため、2回目のデザインも取りやめて、靭をベースにした3回目のデザインに取り組むことになった。
この3回目のデザインこそが、新型アテンザのデザインコンセプトとなった、「雄(TAKERI)」である。しかし、全幅が1870mmの雄から、同1840mmの新型アテンザに落とし込む作業も困難を極めた。「雄のイメージを損なわずに、両側で15mm、合わせて30mmを削るために生かされたのが、0.3mm単位で加工できる熟練のクレイモデラーの技術だ」(マツダ)という。
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