検索
連載

この部品の品質はどれくらい? ヒストグラムで見えるもの実践! IE:現場視点の品質管理(11)(2/2 ページ)

この部品の品質はどれくらい? ヒストグラムの使い方を覚えて、生産品質を高めよう。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

(4)組分けの間隔(h)を次の算式で決める。組数(k)は表2によって決める

 測定器から読み取った目盛りの間隔(事例では0.1)の整数倍で算出結果に一番近い値を間隔(h)とします。間隔(h)は、全ての組で同一にします。また、組数(k)の決め方として、データ数の平方根を整数値に丸めて決める方法も用いられます。

データの数 組数(k)
50〜100 6 〜 10
100〜250 7〜12
120〜 10〜20
表2 組数(k)の決め方

 h=R÷k=6.1÷6=1.016

 この結果から、間隔(h)=1.0とする。

(5)間隔(h)の値により、組分けの範囲を決める

 事例では、最小値(S)は、24.8であるから、以下の7組に分けます。

  1. 24.5〜25.4
  2. 25.5〜26.4
  3. 26.5〜27.4
  4. 27.5〜28.4
  5. 28.5〜29.4
  6. 29.5〜30.4
  7. 30.5〜31.4

(6)組分け範囲の中央の値(中央値または代表値)を求めて、組分け範囲を代表させる

 例えば、5つ目の組、28.5〜29.4の中心は29.0です。この組に属する全てのデータは、29.0で代表させます。事例では下記の11個のデータが該当します。

  • 29.1
  • 28.7
  • 29.0
  • 28.5
  • 28.7
  • 28.8
  • 29.0
  • 29.4
  • 28.6
  • 29.4
  • 28.9

(7)データをチェックして、表3のように度数および累積度数を記入する

 データ数の合計と累積度数が一致しないときは、チェックミスです。

表3 度数分布表
表3 度数分布表

(8)表3 度数分布表を基にヒストグラムを描く

 横軸に品質特性の値を中央値で記入し、縦軸に度数を取り、ヒストグラムを描きます。ヒストグラムには何個のデータから作られたかを“n=50”の形で附記しておきます。

 この図で、中央値25kgの度数の中には、24.5kg以上25.5kg未満のデータを分類したことを示すことになります。

図1 ヒストグラム
図1 ヒストグラム

 ここまでで、分析のもととなるヒストグラムを描くことができました。次回は、今回作成したヒストグラムをどう読んで判断するかを解説していきます。お楽しみに!

⇒前回(第10回)はこちら
⇒次回(第12回)はこちら
⇒連載「実践! IE:現場視点の品質管理」バックナンバー


筆者紹介

MIC綜合事務所 所長
福田 祐二(ふくた ゆうじ)


日立製作所にて、高効率生産ラインの構築やJIT生産システム構築、新製品立ち上げに従事。退職後、MIC綜合事務所を設立。部品加工、装置組み立て、金属材料メーカーなどの経営管理、生産革新、人材育成、JIT生産システムなどのコンサルティング、および日本IE協会、神奈川県産業技術交流協会、県内外の企業において管理者研修講師、技術者研修講師などで活躍中。日本生産管理学会員。


関連キーワード

品質管理 | 管理者 | 統計 | 経営 | 生産管理


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る