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現場の管理監督者が掌握しておくべき品質管理手法はこれだ!実践! IE:現場視点の品質管理(8)(1/2 ページ)

品質管理手法は多数ありますが、本当に現場リーダーが知っておくべき管理手法はどれで、どこまで知っておけば足りるのでしょうか? 本稿ではそれぞれの重要度や手法の概要を紹介します。

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⇒連載「実践! IE:現場視点の品質管理」バックナンバー

 前回は、統計的なものの考え方の基本をおさらいしました。今回は現場の管理監督者が把握しておくべき管理手法を整理していきます。

現場の管理監督者に必要な品質管理手法の範囲

 現場で品質管理を実施していく中で、最も頻繁に発生するのは不良の対策です。現場の管理監督者にとっては、この不良対策を行うことが品質改善の重要な業務となります。

 不良は企業の存続に影響する場合が少なくないため、不良対策を主とする品質改善は、真摯に的確・迅速に行わなければなりません。さらに、不良発生の兆候を察知して、不良が再発することを未然に防止できるように管理と改善を繰り返していきます。そのためには、いろいろな品質解析手法を活用することが、的確な不良対策を立案し、効果を上げるためのコツとなります。

 不良発生の原因そのものも多数ありますが、本当に大きく影響する「真因」といわれる原因はそうたくさんあるものではありません。例えば、現場の監督者に「この不良の原因には、どのようなことが考えられますか?」と聞くと、これも関係する、いやあれも関係するといって数限りなく原因を挙げる人がいます。

 確かに、その人がいうように不良の原因として何らかの影響を与えている項目はたくさんあるには違いありません。しかし、支配的にきいている項目や、大きな影響を与えている項目は、それほど多くないはずです。1つか2つ、多くてもせいぜい3つぐらいの原因を除去すれば、異常や不良の大部分が排除できるのが普通です。また、不良の原因を探るには難しい手法はあまり必要ではありません。

 多くの問題は、ごくやさしい方法で解決できるものなのです。代表的な手法として、層別、散布図、パレート図、ヒストグラム、特性要因図、チェックシートなどが挙げられます。なお、QC7つ道具では、上記に管理図、グラフが加えられます。これらは、難しい数字や計算を必要としません。

 品質管理は、難しい手法や計算を使い回すことではありません。このあたりが、統計的品質管理(SQC:Statistical Quality Control)が難解で、現場では難しくて役立たないと誤解を受けている部分ではないでしょうか。

 これらの手法は、測定したデータを活用して現状を明らかにするための手段に過ぎません。要は、目的に合った手法を選択し、図示化した結果から何を読み取って、そこから何を見いだすかが重要なことなのです。

 そのためには、「ものの見方と考え方」を日ごろから養っておくことが大切です。このような考え方に基づいて、現場の管理監督者は、品質管理を推進していくうえで、少なくても次の手法について知っておく必要があります。

(1)十分に理解し、駆使できることが必要な手法

  • 層別
  • 標準偏差の求め方と使い方
  • パレート図
  • 製造工程線図(フロー・チャート)の書き方
  • ヒストグラム
  • 不良の低減方法(原因の究明方法と対策の方法)
  • チェックシート
  • QCグループ活動の進め方
  • 特性要因図
  • 問題解決の手順
  • 管理図(X-R、P、Pn、C、u)
  • 標準化の進め方

(2)ある程度の知識を持っていて、テキストを見ながらであれば使える手法

  • 散布図と簡易検定
  • 二項確率紙の使い方

(3)初歩的な知識程度は持っていた方がよい手法

  • 抜き取り検査
  • 計量値の検定と推定
  • 計数値の検定と推定
  • 実験計画法

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