(日本編)無線充電の技術、誰が強いのか:電気自動車(2/2 ページ)
電気自動車(EV)や携帯型機器へ、コードを使わずに電力を送る無線充電技術。前回に続き、今回は日本における特許の実態を紹介する。調査会社のパテント・リザルトによれば、セイコーエプソンを筆頭にトヨタ自動車やパナソニック電工の特許が強い。
一段落のエプソン、伸びるトヨタとパナソニック
無線充電分野ではどの企業の出願件数が多く、特許が強いのか(パテントスコア)分かった。それでは、出願件数の推移や強さの推移はどうなっているのだろうか。
出願が一段落したセイコーエプソン、持続しているトヨタ自動車、パナソニック電工という構図が見える(図2)*3)。
*3) 日本への直接出願の場合は出願から公開まで1年半を要する。国際出願の場合は出願から公開まで2年半かかる。そのため、日本企業の2010年以降の出願件数は参考値である。同様に外国企業は2009年以降が参考値となる。
このような傾向は、年別に総合力をプロットするとよりはっきりする(図3)。セイコーエプソンは2009年以降総合力の伸びが鈍化している一方、他の4社は同時期にも総合力が伸び続けている*4)。
*4) ただし、セイコーエプソンの総合力は2009年以降も1位にとどまっているため、特許が「弱くなった」とはいえない。一般に出願件数が少なくなる理由は、大きく2つに分かれる。その分野を諦めたか、または技術開発から製品化フェーズに入った場合だ。
なお、パテント・リザルトは今回の分析にあたり、クラウドベースで利用可能な自社開発の特許分析ツール「Biz Cruncher」を使用している。同社は、今回の分析について詳細にまとめた複数のリポート資料を販売している。
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