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「Car-as-a-Robot」という概念が示す自動車とロボットの再定義:和田憲一郎の電動化新時代!(66)(3/3 ページ)

近年、「自動車はロボットである」と位置付ける企業が現れ始めている。その背景には、従来の自動車観と異なる新たな発想の転換がある。その代表例が、中国新興自動車メーカーのXpengが提唱する「Car-as-a-Robot」という概念だ。今回は、このような潮流を前にして、自動車とロボットの関係性を整理するとともに、将来的な影響を考えてみたい。

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日本の自動車産業への私見

 今回取り上げた話題について、自動車産業に携わる方の中には、「自分たちの事業とは直接関係がない」と感じる方も少なくないだろう。また、日々の業務への対応に追われ、近未来の産業構造の変化について考える余裕はないという声もあるかもしれない。

 一方で、自動車産業のマネジメント層の中には、少なからぬ危機感を抱いた方もいるのではないだろうか。日本の自動車産業は、かつて世界市場で圧倒的な存在感を示していたものの、近年は中国市場をはじめ、欧州やASEAN諸国において劣勢に立たされている。そして、この状況は一過性のものではなく、産業構造そのものの変化によって生じている可能性が高い。

 これまで日系メーカーは、高品質、高信頼性という強みを武器に国際競争力を維持してきた。しかし近年、AI技術の急速な進展によって、自動車そのものの価値が再定義されつつある。さらに、自動車とロボットの境界が曖昧になるという新たなパラダイムシフトが生じており、従来の競争優位だけでは対応が難しい局面を迎えている。

 こうした状況を踏まえ、筆者は2つの提言を行いたい。

 1つ目として、テスラや中国の新興メーカーをはじめ、AI技術開発を先導する企業が何を目指し、どのような思想や戦略の下で行動しているのかを徹底的に調査、分析することである。技術のみならず、その背景にある経営哲学や将来構想を理解することで、自社との違いが明確になり、新たな競争戦略を構築するための示唆が得られると思われる。

 2つ目として、現在の収益環境を将来への投資機会として捉えることである。日系自動車メーカーの多くは、北米市場の堅調な需要や円安の追い風もあり、足元では業績が回復基調にある。しかし、このような時期だからこそ利益を内部留保として蓄積するだけでなく、AI分野への積極的な投資を進めるべきではないだろうか。人材の確保、育成に加え、研究開発設備やAI基盤への投資を強化し、次世代の競争に備えることが求められる。

 自動車がCar-as-a-Robotへと進化しつつある現在、自動車産業は単なる製造業の枠組みを超え、ロボティクス産業との融合領域へと変貌しつつある。この変化を脅威として捉えるか、新たな成長機会として捉えるかによって、今後の日系自動車メーカーの競争力は大きく左右されることになるだろう。

筆者紹介

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和田憲一郎(わだ けんいちろう)

三菱自動車に入社後、2005年に新世代電気自動車の開発担当者に任命され「i-MiEV」の開発に着手。開発プロジェクトが正式発足と同時に、MiEV商品開発プロジェクトのプロジェクトマネージャーに就任。2010年から本社にてEV充電インフラビジネスをけん引。2013年3月に同社を退社して、同年4月に車両の電動化に特化したエレクトリフィケーション コンサルティングを設立。2015年6月には、株式会社日本電動化研究所への法人化を果たしている。


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