JFEスチールは2026年10月23日、インドの戦略的アライアンスパートナーであるJSW Steel(以下、JSW)との合弁会社のJSW JFE Steel(以下、JJSL社)において、インド オディシャ州サンバルプル製鉄所の生産能力拡張のため設備投資を実施することを同日に両社で決定したと発表した。
今回の投資により、同製鉄所の粗鋼生産能力は現在の年間450万トン(t)から年間950万tへ拡大し、JFEスチールの海外事業戦略の中核を担うインド事業の成長をさらに加速する。
稼働時期は2030年を予定
インドの鉄鋼需要は、インフラ投資の拡大や製造業の高度化を背景に中長期的に高い成長が見込まれている。同社は、JJSL社を通じ、同国における高付加価値品の供給体制を強化し、成長市場の需要を取り込むことで、海外事業収益の強化を実現していく。
今回の投資は、2025年12月に公表したJSW社との一貫製鉄所合弁事業のさらなる発展に向けたものだ。加えて、JJSL社の製造能力を段階的に拡張し、粗鋼生産能力を年間1500万t規模とすることを見据えた投資となっている。
新設設備の概要に関して、製銑工程では高炉1基、コークスプラント2炉団、ペレットプラント1基などで、製鋼工程では転炉2基、スラブ連鋳機2基など、圧延工程では熱延ライン1基など、ユーティリティーでは発電設備などを備える。増強能力は粗鋼生産能力で年間500万t増。稼働時期は2030年を予定している。
JFEスチールは、長期ビジョンである2035年度の鉄鋼事業セグメント利益5000億円の目標に向け、海外事業収益2000億円を目指し、これまでに実行してきた投資による効果のほか、成長分野や地域への積極的な投資により、持続的成長を実現していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
製鋼スラグが「CO2の吸収材」に、革新的CO2固定技術の実証実験を開始
JFEスチールと愛媛大学は、鉄鋼生産の副産物である「製鋼スラグ」を活用し、高速かつ多量にCO2を固定する技術の実証試験を千葉地区で開始した。
JFEスチールがインドで方向性電磁鋼板製造能力を年間35万tへ拡張
JFEスチールとJSW Steelは、持分比率50:50で設立した方向性電磁鋼板製造/販売会社のJSW JFE Electrical SteelとJSW JFE Electrical Steel Nashikの製造能力を大幅に拡張することを決定したと発表した。
CO2を最大45万トン削減! JFEスチールが最新電気炉を本格稼働
鉄鋼業界の脱炭素化に向けた大きな一歩となる新設備が動き出した。大同特殊鋼は、JFEスチールの東日本製鉄所(千葉地区)へ新型の炉体旋回式電気炉「STARQ」を納入し、2026年4月に稼働を開始した。
JFEスチールGが形鋼事業再編、国内生産体制を強靭化
JFEスチールは、西日本製鉄所 福山地区(広島県福山市)の形鋼事業についてJFEスチールグループのJFE条鋼に2027年4月をめどに事業運営を移管する方針を決定した。
加熱時間を従来比36分の1に短縮可能なホットプレス用鋼板、JFEスチールが開発
JFEスチールが新たに開発したホットプレス用高張力鋼板「JAG」は、ホットプレス後の焼き入れで発生するスケール(さび)の除去プロセスを省略できる酸化防止被覆を採用した。鋼板そのものも高温加熱保持プロセスが不要になる工夫を加えており、通電加熱を使えば加熱時間を従来比36分の1まで短縮できる。
