工場DXを推進可能な「カミナシ 生産実績」 月1000枚の紙運用を行う現場を効率化:製造ITニュース
カミナシは、製造現場の生産実績管理システム「カミナシ 生産実績」を2026年11月1日に提供開始する。タブレットなどへの入力により可動率や停止時間などの指標を自動算出し、紙の記録や集計にかかる工数を削減可能だ。
カミナシは2026年10月21日、製造現場における進捗(しんちょく)遅れや停止原因を現場で把握/分析する生産実績管理システム「カミナシ 生産実績」を、同年11月1日より提供開始すると発表した。料金体系は初期費用および月額費用から成るプラン制を採用している。
新しく提供を予定しているカミナシ 生産実績は、従来の紙による生産記録をデジタルに置き換える製品であり、現場作業者に負荷をかけずに定量データや定性データをリアルタイムに可視化することで、勘や経験に依存しない工場運営の実現を目指している。
国内の製造現場が抱えている課題とは
国内の製造現場は、「熟練者の退職に伴う技能伝承の断絶」「多品種少量化や受注変動といった外部環境の変化」「設備の老朽化に伴う突発停止の増加」「深刻な人手不足」の4つの危機に直面している。特に自動車部品をはじめとするライン生産の現場では生産計画と実績を紙に手書きで記録する運用が根強く残っており、工場内にモバイル環境が整備されていないため、紙や手計算に頼らざるを得ず、毎日の回収や集計、転記作業に多くの工数がかかっている。
また、実績の集計が翌日以降に持ち越されることで、不良の頻発や異常の察知が遅れ、対応が後手に回る課題も存在していた。さらに、近年普及が進むIoT(モノのインターネット)やPLCによる設備データの自動収集機能を用いても、ライン停止の発生事実や停止時間といった定量数値の把握にとどまるのが現状だ。何が原因で停止したのか、どのような不良が発生して現場作業者がどう対処したのかといった定性的な理由までは把握できず、高額な設備投資を行っても取得データを現場改善につなげられない事例が存在している。
このような課題を解決するために、カミナシは「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」をミッションに掲げ、現場オペレーションHub「カミナシ」シリーズを展開し、現場主導のデジタル変革を支援している。
主要指標の自動算出やパレート分析機能を搭載
新製品であるカミナシ 生産実績は、現場作業者が紙に記録していた出来高、不良、停止などの情報をタブレット端末などの画面に沿って直接入力するシステムだ。入力データをもとに、進捗、可動率、サイクルタイム(CT)、不良率、停止時間といった主要指標をリアルタイムかつ自動で算出する。翌日の集計で初めて問題を知るといったタイムラグを解消し、進捗遅れなどが発生した際も現場で速やかに状況を把握して損失拡大を防ぐ迅速な対応が可能になる。
帳票の回収から電卓での集計、Excelへの転記やグラフ作成といった間接作業の削減にも貢献する。データの集計や加工に工数を割く必要がなくなるため、管理者は空いた時間を現場の巡回やトラブル対応、改善活動といった業務に集中できるようになる。
カミナシ 生産実績は、直感的に把握できるリアルタイムのダッシュボードを備えており、ラインごとの生産進捗や稼働状況を一目で確認できる。不良原因や停止理由のパレート分析機能も備えており、データ収集や加工の手間なく、優先して対応すべき原因を現場作業者や管理者が把握可能だ。
改善すべき真の原因を共通の数値ベースで捉え、再現性のある改善サイクルを回せるとしている。主な機能として、生産記録、生産計画登録、生産進捗ダッシュボード、生産指標グラフ、不良/パレート分析、CSV出力を搭載する。
先行導入企業での効果と今後の展開
カミナシ 生産実績は先行導入企業で実際に成果実績を生み出しつつある。自動車用部品/産業用機械シートを製造するナルコでは、生産記録に月間約1000枚のA4用紙を使用し、日々のPC入力やファイリングに工数がかかる上、当日に生じた問題を全体へ共有できない課題を抱えていた。この課題に対し、カミナシ 生産実績の導入によって紙と入力の手間を減らし、生産状況や問題点を全部署で素早く共有できるようになったという。ナルコ 取締役COOの羽根幹雄氏は、AI(人工知能)を用いて生産性阻害要因を高度に分析することや設備データとの連携に対しても期待を示している。
カミナシは今後、同製品の実績データを起点とし、自社で提供する「カミナシ レポート」や「カミナシ 設備保全」「カミナシ 教育」などとのデータ連携を深める。モニタリングから異常対応、教育、改善の仕組み化までを一気通貫で支援する現場基盤としての価値を提供していく考えだ。
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