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ニッケル亜鉛電池がAIデータセンター向けで採用へ、10年間の開発成果が花開く:Japan Mobility Show Bizweek 2026

エナジーウィズは、「Japan Mobility Show Bizweek 2026」において、独自に開発した次世代電池「ニッケル亜鉛電池」の実製品を公開した。

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 エナジーウィズは、「Japan Mobility Show Bizweek 2026」(2026年10月13〜16日、幕張メッセ)において、独自に開発した次世代電池「ニッケル亜鉛電池(Ni-Zn電池)」の実製品を公開した。

エナジーウィズのNi-Zn電池(左)と鉛蓄電池(右)
エナジーウィズのNi-Zn電池(左)と鉛蓄電池(右)[クリックで拡大]
Ni-Zn電池(左)と鉛蓄電池(右)の出力密度を比較するデモ。Ni-Zn電池の方が透明パイプの中の真ちゅうの球が応答性良く高い位置まで吹き上がる[クリックで再生]

 Ni-Zn電池は、負極材料の亜鉛の理論容量が高いこともあり、次世代の二次電池として期待されてきたものの、負極におけるデンドライト析出や形態変化により寿命が短いことが製品化の課題になっていた。今回エナジーウィズが公開したNi-Zn電池の実製品は、同社における2010年代半ばからの研究開発成果となる独自の劣化抑制技術を適用することで、製品化の課題を克服している。

 エナジーウィズのNi-Zn電池は、鉛蓄電池を大きく上回る特性を兼ね備えている。まず、鉛蓄電池と比べてエネルギー密度が高い。体積エネルギー密度で約1.4倍、重量エネルギー密度で約2.1倍であり、その分だけ省スペース化と軽量化が可能である。同じ外形寸法の規格でそろえた電池セルの重量は、Ni-Zn電池が10.9kg、鉛蓄電池が15.6kgとなっている。

 また、電極反応が速く内部抵抗が低いNi-Zn電池は、入出力密度でも鉛蓄電池を上回る。充電時間は鉛蓄電池の4分の1に短縮可能だ。展示では出力特性の高さを示すために、透明なパイプの中に入れた真ちゅうの球を空圧で吹き上げるデモを披露し、Ni-Zn電池の方が応答性良く高い位置まで真ちゅうの玉が吹き上がることを見せた。

 さらに、鉛蓄電池の約4倍となる長寿命を実現しており、75℃の高温下でも安定した性能を発揮できる。欧州のRoHS指令が禁止するカドミウム、水銀、鉛などの有害物質を含まず、環境負荷が低くリサイクル性に優れるとしている。

Ni-Zn電池に立ちはだかる事業化の壁、AIデータセンター向けが活路に

 いいことづくめのように思えるNi-Zn電池だが、エナジーウィズはこれまで事業化の大きな壁にぶつかってきた。新開発の二次電池であるためコストが鉛蓄電池より高く、リチウムイオン電池と比べるとエネルギー密度や入出力密度で劣るため、Ni-Zn電池ならではの用途が見いだせなかったためだ。

 しかし足元では、AIデータセンターの停電時に稼働を継続するためのバックアップ電源としての引き合いが高まっている。「通常のデータセンターのバックアップ電源には鉛蓄電池は広く用いられているが、消費電力が高いAIデータセンター向けでは鉛蓄電池は容量不足が課題になっている。この容量の問題を解決するために、リチウムイオン電池を用いたバックアップ電源の採用も広がっているが、消防法の規制対象になることや、保険費用が鉛蓄電池より高くつくことが課題になっている」(エナジーウィズの説明員)。

 一方、Ni-Zn電池を用いたバックアップ電源であれば、AIデータセンターの5〜10分の稼働継続に十分な容量を確保できる。電解液に水酸化カリウムを使用した水系電解液を採用しているので、鉛蓄電池と同様に消防法の規制対象にならず、保険費用も低く抑えられる。「実際に、米国でNi-Zn電池を展開するZincFiveが、米国のAIデータセンターで導入実績を積み上げている。当社にも確度の高い引き合いが増えており、着実に事業化につなげたい。まずは、鉛蓄電池のバックアップ電源と同容量のシステムを、コスト2倍以内を目標に開発を進める。これでNi-Zn電池の量産が進めば、他の用途にもコストを抑えて提案できるようになり、さらなる事業拡大にもつなげられると考えている」(同説明員)という。

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