PFAS分解率99.999%以上、レーザーで無害化する新技術:材料技術
古河電気工業と流機エンジニアリングは、高出力ファイバーレーザを用いて「永遠の化学物質」であるPFASを高効率に分解する要素技術を開発した。
古河電気工業(古河電工)と流機エンジニアリングは2026年10月2日、古河電工のインフラ構造物向け表面処理ソリューション「インフラレーザー」で活用している高出力ファイバーレーザー技術を応用し、PFAS(有機フッ素化合物)を分解する要素技術を開発したと発表した。
表面を速やかに1100℃以上まで加熱
PFASは産業/日用品などで幅広く使用されるが、難分解性で環境中に長期間残留することから「永遠の化学物質」とも呼ばれ、土壌/地下水汚染や人体への蓄積による健康リスクが国際的な課題となっている。
国内では2026年4月からPFASの1種であるPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)およびPFOA(ペルフルオロオクタン酸)が水道水の水質基準に追加されるなど、対応が進む中、PFAS除去に用いた吸着材などの適切な処理/無害化も求められている。
そこで古河電工と流機エンジニアリングは、インフラレーザーに活用している、鋼材表面のサビや塗膜を非接触で除去する高出力ファイバーレーザー技術をPFASの分解に応用できると考え、共同研究に取り組んできた。
今回の要素技術は、PFASを吸着した活性炭に高出力ファイバーレーザーを照射しPFASを高効率に分解する。レーザーを処理対象物に直接照射することで、表面を速やかに1100℃以上まで加熱する。
同技術の性能を検証するために行われた試験では、レーザー照射後に残留した固相および気相のPFASを回収し、LC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析)/MS(質量分析)により定量評価を行い、バーゼル条約の技術ガイドラインで環境上適正な分解処理の水準として示される分解効率が99.999%以上であることを確認した。
対象物にレーザー光を直接照射して光エネルギーを熱エネルギーへ変換し、局所的に加熱することにより、PFASの分解に必要な温度まで短時間で昇温できるため、準備を含めた処理時間を短縮可能だ。また、活性炭を完全燃焼させずにPFASを分解できることから、活性炭の再生利用や燃焼時のCO2排出量の削減も期待される。
同成果は、PFASの分解/無害化に高出力ファイバーレーザーを活用する新たな技術的可能性を示すものだ。今後、両社はPFAS分解技術の社会実装に向けた共同研究を進め、環境負荷の高い従来の焼却処分方法ではなく、現場(オンサイト)で高効率処理できる減容化技術の確立を目指す。
さらに、両社の技術/ノウハウを組み合わせ、PFASの調査から浄化、無害化までを一貫して提供するトータルソリューションの実現に取り組んでいく。
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