NTTデータら、化学物質規制対応の負担を軽減する新サービス提供開始:サプライチェーン改革
NTTデータとCMPコンソーシアムは、取引関係と化学物質情報をひも付け、企業秘密を守りながら必要な情報を伝達できる新サービスの提供を開始した。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2026年10月1日、補助事業「ウラノス・エコシステムの実現のためのデータ連携システム構築/実証事業(以下、ウラノス・エコシステム事業)」の支援の下、CMPコンソーシアムおよびNTTデータが、化学物質情報のトレーサビリティー管理を支える製品含有化学物質/資源循環情報プラットフォーム(CMP)を開発し、同日にサービス提供を開始したと発表した。
同サービスは、原料から完成品までのサプライチェーン上の取引関係と製品含有化学物質情報をひも付け、必要な情報を指定した相手に伝達できるサービスで、各事業者の負担を軽減し、化学物質規制への迅速な対応を支援する。
500社以上が参加する大規模実証を実施
近年、廃棄物や気候変動などの環境問題に加え、世界的な資源需要の増加や地政学リスクの高まりを背景に、資源を効率的/持続的に利用するサーキュラーエコノミーへの移行が求められている。
その実現には、製品に含まれる物質/成分情報をサプライチェーン全体で適切に管理/流通させることが重要だ。特に化学物質については、REACH規制などの規制強化が進んでおり、現状、規制対象物質の追加/変更時には、取引先間でメールなどを用いた再調査や情報伝達が必要となり、各事業者の業務負担が課題となっている。
REACH規制は化学品の登録、評価、認可および制限に関する規則で、欧州連合(EU)で2007年6月1日に発効された。
こうした背景の下、NTTデータは、サーキュラーエコノミーの実現に向け、これまでも産業間のデータ流通基盤の調査/検証に取り組んできた。さらに、CMPコンソーシアムと連携してCMPの基盤開発事業者として開発を推進。この取り組みは、2025年6月に採択されたNEDOのウラノス・エコシステム事業における「化学物質情報の流通に係るシステム開発事業/化学物質情報のトレーサビリティー管理システムの開発」において、進められている。
加えて、CMPコンソーシアムとNTTデータは、2026年4月から想定ユーザー企業や同サービス上で動作するアプリケーションの開発事業者など500社以上が参加する大規模実証を実施し、実運用で使用するためにアプリの比較/操作確認を進めてきた。これらの成果を踏まえ、情報伝達基盤として同サービスの提供を開始する。
主な機能は2つ
CMPコンソーシアムとNTTデータが提供を開始したCMPサービスは、原料から完成品までのサプライチェーン上の取引関係と製品含有化学物質情報をひも付け、指定した取引先との情報連携を可能にする。各社の企業秘密を保護しながら、必要な情報をサプライチェーン上で円滑に伝達することで、化学物質規制への迅速な対応と、再調査/情報伝達に伴う業務負担の低減をサポートする。
今回のCMPの取り組みは、自動車業界や電機/電子業界をはじめとする幅広い業界の企業から賛同を得ているという。
同サービスは、情報処理推進機構デジタル&AIシステムズ・デザインセンター(以下、DADC)のアーキテクチャに関する助言の下、分散したデータのマネジメントを実現するためのレファレンスアーキテクチャモデル「ODS-RAM(Open Data Spaces Reference Architecture Model)」を参照して構築された。NTTデータが提供するバッテリートレーサビリティープラットフォームで培った、サプライチェーン間で安全/安心なデータを連携する仕組みも活用している。
同サービスの主な機能は「トレーサビリティー管理機能」と「情報伝達機能」だ。トレーサビリティー管理機能は、サプライチェーンを構成する事業者間の取引関係を同一IDにひも付け、管理/追跡し、各社の機密情報を他事業者に公開することなく、取引関係に基づいた情報管理を可能にする。
情報伝達機能は、化学物質の成分情報や物質含有確認情報などについて指定した相手との間でのみ連携し、規制対象物質の追加/変更時における再調査を効率化するとともに、化学物質規制への迅速な対応を支援する。
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