Alteraの黄金期は最高潮へ、「Arria」が加わりFPGA製品の世代交代も順調に進む:プログラマブルロジック本紀(15)(3/3 ページ)
FPGAに代表されるプログラマブルロジックICの歴史をたどる本連載。第15回は、第14回に引き続き2000年代後半のAlteraについて紹介する。新たにミドルレンジ製品の「Arria」が加わり、「Stratix」と「Cyclone」の世代交代も順調に進むなど、Alteraの黄金期は最高潮を迎える。
売上高の年平均成長率は15%以上に、新製品展開がシナリオ通りに機能
こんな高速I/Oは本当に必要なのか? というと実際に必要とされていた。2007年といえば、ITU(国際電気通信連合)が4G携帯電話の周波数帯を定め、さらに通信キャリアを含む業界各社が4Gに向けて技術開発や設備増強計画策定などを始めていた時期に相当する。この4G基地局向けに、より高速なI/Oが必要とされており、しかも仕様そのものがなかなか決まらなかったり、各社ごとにカスタマイズが必要だったりしていた。そうした要件を鑑みると、FPGAを利用して基地局を構成するのは理にかなった選択だったし、Stratix IV GX/GTはまさしくそのニーズに向けて投入された製品となった。
実のところ、2004年ごろから同社の売上高比率で一番高いのは、表6からも分かるように通信(Communication)部門であり、ここがハイエンド向けとなるStratixシリーズの一番の顧客となって業績をけん引していた。
| 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | |
|---|---|---|---|---|---|
| Communication | 40% | 42% | 42% | 40% | 43% |
| Industrial | 35% | 32% | 34% | 35% | 35% |
| Consumer | 14% | 16% | 14% | 16% | 15% |
| Computer & Storage | 11% | 10% | 10% | 9% | 7% |
| 表6 Alteraの2002〜2008年の売上高における部門別比率 | |||||
ついでに、Alteraの2002〜2008年の業績についても表7にまとめておく。
| 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Net sales | 711.7 | 827.2 | 1016.4 | 1123.7 | 1285.5 | 1263.5 | 1367.2 |
| Gross margin | 448.3 | 560.8 | 707.7 | 757.8 | 857.7 | 815.6 | 917.5 |
| Net income | 84.8 | 152.2 | 276.1 | 278.8 | 323.2 | 290.0 | 359.7 |
| 表7 Alteraの2002〜2008年の業績(単位:100万米ドル) | |||||||
急上昇というわけでもないにせよ、売上高はこの期間毎年15%程度の伸びになっている。粗利は常に60%以上(2004年などは69.6%でほぼ70%)で、純利益も順調に増えていった。2004年からは売上高の絶対額も10億米ドルを超える規模になっており、まずまず順調に推移していたと言っていいだろう。ちなみに2008年のデータで言えば、製品別の売上高比率はFPGA製品が74%、CPLD製品が18%、その他が8%となっており、CPLD製品に関しては売上高が頭打ち(実際に2008年のForm 10-Kから換算すると、2007年は2億4000万米ドル、2008年は2億4600万米ドルといったあたりで微増でしかない)になっており、成長エンジンはFPGAなことが明白である。
同じ2008年のForm 10-Kによれば、AlteraのシェアはPLD全体で36%、FPGAで34%、CPLDで40%となっており、Xilinxとバチバチにやり合いながらハイエンドFPGA市場の開拓とメインストリームFPGA市場の充実をうまく両立できていたことが見て取れる。
ちなみにAltera自身の分析では、2008年の売上高の28%は、2004年に発表したStratix IIとCyclone IIで占められていたそうで、このII世代は2008年ないし2009年がピークになると予測している。ただし、既にIII世代の出荷を開始しており、IV世代の一部アナウンスも始まるなど、新製品を順次投入して売上高を伸ばしていくというシナリオがうまく機能していることをうかがわせる内容だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 連載「プログラマブルロジック本紀」バックナンバー
「Stratix」と「Cyclone」を投入したAlteraはFPGAベンダーとして黄金期へ
FPGAに代表されるプログラマブルロジックICの歴史をたどる本連載。第14回は、第13回に引き続き2000年代前半のAlteraについて紹介する。同社を代表するFPGA製品「Stratix」と「Cyclone」の投入により、FPGAベンダーとして黄金期を迎えることになる。
AlteraはITバブルを切り抜け全盛期へ、時代を先取りしたArmコア+FPGAの製品も
FPGAに代表されるプログラマブルロジックICの歴史をたどる本連載。第12回は、第4回で紹介した1990年代後半以降のAlteraの続き。2000年に向けて主力製品をCPLDからFPGAに移行する中で矢継ぎ早に新製品を投入し、ITバブルも切り抜けて全盛期へと向かう。
10年間で売上高が18倍に! 1990年代のAlteraはCPLDからFPGAのベンダーへ
FPGAに代表されるプログラマブルロジックICの歴史をたどる本連載。第12回は、第4回で紹介した1980年代後半のAlteraの続き。大きく成長を遂げた同社の1990年代について取り上げる。
中小FPGAベンダー盛衰記――QuickLogicからSilicon BlueそしてまたLatticeへ
FPGAに代表されるプログラマブルロジックICの歴史をたどる本連載。第11回は、前回に引き続いて経営危機に陥ったLattice Semiconductorの話をするが、その前に少し寄り道をして、中小FPGAベンダーであるQuickLogicとSilicon Blueのことを取り上げる。
AMDのPLD事業を買収し意気軒高のLattice SemiconductorがFPGA参入で崖っぷちに
FPGAに代表されるプログラマブルロジックICの歴史をたどる本連載。第10回は、前回に続きLattice Semiconductorを取り上げる。PLDへの事業絞り込みでV字復活を遂げた同社は、AMDのPLD事業を買収するなどさらなる成長を遂げる。しかし、FPGA事業参入と同時期に再び経営危機に陥ることになる。