AMDのPLD事業を買収し意気軒高のLattice SemiconductorがFPGA参入で崖っぷちに:プログラマブルロジック本紀(10)(1/3 ページ)
FPGAに代表されるプログラマブルロジックICの歴史をたどる本連載。第10回は、前回に続きLattice Semiconductorを取り上げる。PLDへの事業絞り込みでV字復活を遂げた同社は、AMDのPLD事業を買収するなどさらなる成長を遂げる。しかし、FPGA事業参入と同時期に再び経営危機に陥ることになる。
前回は、厳しい経営状況に陥った半導体ベンチャーのLattice Semiconductor(以下、Lattice)が、PLD(Programmable Logic Device)を手掛けることで一気にV字回復を遂げた軌跡を紹介した。今回は、事業拡大を経てFPGA事業に参入した後、またもや経営危機に陥るまでの流れを紹介したい。
無事にCPLD(Complex Programmable Logic Device)であるpLSI/ispLSIを出荷して一息ついたLatticeであるが、競合であるAlteraとXilinxはよりゲート数の多いFPGAを既に出荷していた。1992年ということで言えば、LatticeのハイエンドはpLSI 1048/ispLSI 1048で、PLD換算で8000ゲート程になる。対してXilinxは1990年発表のXC4000シリーズで既に2万5000ゲート相当(XC4025)、Alteraも1992年発表のFlex8000シリーズで当初1万5000ゲート相当、後に2万4000ゲートの製品もリリースしており、ちょっと大きな差があった。
といっても、できることは素直に製品を拡充していくしかない。1994年のData BookにはpLSI3000/ispLSI3000シリーズが追加されている(図1)。
図1 ちょっと見えにくいがpLSI/ispLSI 2000シリーズは1000〜4000ゲート相当でこれは1000シリーズの下位に当たる。一方pLSI/ispLSI 3000シリーズは8000〜1万4000ゲート相当である[クリックで拡大] 出所:Lattice Semiconductor
そして1996年のData BookにはpLSI6000/ispLSI6000シリーズが追加され、このpLSI6192/ispLSI6192では2万5000ゲート相当になり、数年間のビハインドはあるとはいえ、何とかゲート数でXilinx、Alteraに追従できる体制を維持していた(図2)。
図2 6000シリーズが追加された一方、図1にあったpLSI/ispLSI 3320がしれっと一覧から消えているあたり、アナウンスはしたものの実際には出荷されなかった(or何らかの問題ですぐにディスコンになった)可能性が高い[クリックで拡大] 出所:Lattice Semiconductor
こうしたラインアップ強化が功を奏して1993年の売上高は1億米ドルを超え、1995年には1億4400万米ドルに達した。純利益もこれに合わせて上昇し、1995年には2700万米ドルとなり、1996年には売上高が約2億米ドル、純利益4180万米ドルとなった。この1996年には従業員数も500人を突破。顧客も400社を超えている。
ちなみに、幾つかの資料には1993年にLatticeがQuickLogicを買収したとする記載が見られるのだが、筆者が調べた限りではそうした事実は存在しない。そもそもQuickLogicは現在も存在する。現在のQuickLogicは、eFPGA IP、つまり既存のASICに組み込めるようなFPGAをIPの形で提供する企業だが、創業時のQuickLogicはpASIC(pASIC 1)というAnti-fuse方式のFPGAを提供する会社であった。もし買収されているとすれば、こうした製品がLatticeのラインアップに加わるはずだがそうした事実はない。また、QuickLogicはその後pASIC 2/3という後継製品を発売しているあたり、どうしてこういう話が出て来たのか全く不明である。
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