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自工会とITS Japanが自動運転社会に向け連携、2028年から情報管制基盤の実装へ自動運転技術

日本自動車工業会(自工会)が、自動運転関連を中心に「新7つの課題」への取り組みの進捗状況について説明。同会 会長の佐藤恒治氏は、自動運転技術の社会実装に向けて「スピードを上げていく」と強調し、ITS Japanと連携してインフラとの協調も含めた取り組みを推進する方針を示した。

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 日本自動車工業会(自工会)は2026年9月17日、東京都内で会見を開き、自動運転関連を中心に2025年12月に発表した「新7つの課題」への取り組みの進捗状況について説明した。

 新7つの課題において5番目に挙がっているのが「自動運転を前提とした交通システム確立」である。今回の会見では、「全ての人と物が安全・安心に、自由に移動できる自動運転社会の実現」をビジョンに掲げ、「事故死ゼロ」と「移動の自由」の両立を最上位の目標とするロードマップについて説明した。

自工会 会長の佐藤恒治氏
自工会 会長の佐藤恒治氏

 自工会 会長でトヨタ自動車 副会長兼CIOの佐藤恒治氏は「『事故死ゼロ』と『移動の自由』の2つの軸をぶらさずに、インフラと協調しながら調和あるモビリティ社会をつくるという観点でロードマップを定めた。特筆したいのは、スピードを上げていくということだ。社会実装を進めながら、いわゆる自律制御型自動運転のレベルを高めていきたい。この領域は、各社が持っている技術を生かしながら、産業全体としてスピードを上げていく領域になるだろう」と語る。

自工会の自動運転社会に向けたビジョンと2つの目標
自工会の自動運転社会に向けたビジョンと2つの目標[クリックで拡大] 出所:自工会

 ロードマップの策定では、「事故死ゼロ」と「移動の自由」の実現には「インフラ協調による安全性向上・交通流円滑化」「社会基盤の整備」「技術の市場浸透」という3つの共通課題があることが分かったという。E2E(End to End)方式などのAIを活用した自動運転技術は、自動車メーカー各社が早期の市場投入に向けて開発を加速する競争領域と定義する一方で、3つの共通課題は自動運転の社会実装力を向上するために協調する領域になるとしている。

「事故死ゼロ」と「移動の自由」の実現に必要な取り組み
「事故死ゼロ」と「移動の自由」の実現に必要な取り組み[クリックで拡大] 出所:自工会

 まず「インフラ協調による安全性向上・交通流円滑化」では、車両単独では対処が難しいリスクを補う共通基盤として、道路インフラや通信ネットワーク、公共情報と連携する「情報管制プラットフォーム」を構築する。2026年はPhase1として、PoC(概念実証)によるインフラ協調の効果を検証し、2027年からのPhase2ではPhase1の成果を基に同プラットフォームを構築する。そして2028年からのPhase3では多地点に実装し、面として展開を広げていく方針である。佐藤氏の言う通り、2027年の1年間でプラットフォームを構築し、2028年から実装を始めるというのは従来にないスピード感だといえる。

「インフラ協調による安全性向上・交通流円滑化」に向けた取り組み
「インフラ協調による安全性向上・交通流円滑化」に向けた取り組み[クリックで拡大] 出所:自工会

 次に「社会基盤の整備」では、市場運用で得られた事実を独立して検証し、救済、事故調査、妥当性評価、安全改善、社会説明までを、官民のガバナンスによって一貫して回す仕組みを提案している。レベル2++やレベル4の自動運転の市場導入は法規制に基づく認証さえあればクリアされるイメージが強いが、実際には重大事故やインシデントが発生するリスクが残されている。それらの事故の検証、被害者の救済、改善などを閉ループで回すサイクルが必要だが、既存の制度や枠組みをまたぐ必要が出てくる。ロードマップとしては、2028年までにデータ連携/事故調査の制度設計、2029年まで評価/改善/社会説明の運用設計、2030年までに救済/財政基盤を含む全体運用となっており、インフラの後に整備が始まるイメージだ。

「社会基盤の整備」に向けた取り組み
「社会基盤の整備」に向けた取り組み[クリックで拡大] 出所:自工会

 そして「技術の市場浸透」では、自動運転技術を搭載する車両で安全な運転をするための制度を整備する。高齢者向けの安全システムの認定であるサポカーと同様にレベル2++の優良認定精度を設けたり、安全機能を正しく使うための案内や事故削減効果をの検証をしたりなどの取り組みを行う。また、税や保険との連動で安全性の高い自動運転技術を搭載する車両を購入しやすくする。さらに、運転をやめても「移動の自由」を守れるように、自動運転技術の移動サービスへの展開を後押しする。自工会は、自動運転技術を普及するための省庁横断の官民会議の場の設置に向けて積極的に貢献して行く構えだ。

「技術の市場浸透」に向けた取り組み
「技術の市場浸透」に向けた取り組み[クリックで拡大] 出所:自工会

 自工会は今回定めたロードマップを推進するため、理事会直下に自動運転プロジェクトチームを設置する。同チームのリーダーには、安全技術・政策委員会 委員長の赤石永一氏(日産自動車)が、サブリーダーには次世代モビリティ委員会 委員長の山本圭司氏と総合政策委員会 委員長の松山洋司氏(ともにトヨタ自動車)が就任する。

推進体制
推進体制[クリックで拡大] 出所:自工会

 3つの共通課題のうち「インフラ協調による安全性向上・交通流円滑化」については、交通インフラの高度化を推進するITS Japanとの連携も欠かせない。これまで、自工会とITS Japanの関係性は情報交換にとどまっていたが、ITS Japan内に自工会の自動運転プロジェクトチームと直接連携する専門チームであるITSインフラ整備普及WGを立ち上げ、両者で歩調を合わせて活動を行う。なお、自動運転プロジェクトチームのサブリーダーである山本圭司氏はITS Japanの会長を務めている。この協調体制によって、自工会とITS Japanが共同してITSインフラのロードマップを描いていく方針である。

自工会とITS Japanの連携について
自工会とITS Japanの連携について[クリックで拡大] 出所:自工会

 佐藤氏は「中長期的には、自動運転で『安全安心』『移動の自由』を担保していくための社会システムをどう作っていくかという議論になるだろう。インフラとの協調も含めたそのような取り組みを、今回ロードマップとして落とし込んだ。最終的には、データエコシステムや半導体の動向も含めて、全体感を持って、国際的な動きと調和をさせながら取り組んでいくべきことだと思っているので、日本の立ち位置をしっかり示しながら関係構築をしていきたい」と述べている。

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