オムロンの技術資産を活用した高難度加工対応のファイバーレーザー:工作機械
セブンシックスは、オムロンから承継したレーザー技術資産と自社の技術を統合したファイバーレーザー加工機「SX-Z」シリーズの販売を開始した。部材表面の剥離やあらしなど、高難度加工に対応する。
セブンシックスは2026年9月1日、ファイバーレーザー加工機「SX-Z」シリーズの販売を開始したと発表した。オムロンから承継したレーザー技術資産と、自社のファイバーレーザー技術を融合させている。
SX-Zシリーズは、電子部品の小型化や異種材料の活用拡大に伴う、高度な加工ニーズに応えるため開発された。独自のMOPA(Master Oscillator Power Amplifier)方式ファイバーレーザーとパルス制御技術を備え、部材表層の選択的な剥離加工、接着性を促進する表面あらし加工、異種材料接合の前処理、特殊印字や深彫りなど多様な用途に対応する。
共振器構造を持たないMOPA方式の採用により、パルス幅や繰り返し周波数の柔軟な設定が可能だ。また、1パルス当たりのエネルギーを高めた独自の「FFモード(フルフルエンスモード)」では、最大30本のパルス列を制御でき、従来は困難だった深い凹凸の形成や深彫り加工ができる。
母材へのダメージを最小限に抑えて表層のみを剥離できるため、電子部品コネクターのニッケルバリア加工に適している。さらに金属表面を微細に粗化することで、樹脂など異種材料との接着力を高められる。電子部品パッケージや航空、宇宙、防衛分野でのCFRP(炭素繊維強化プラスチック)と金属の接合前処理、医療器具への耐食性印字、DLCコーティングの密着性向上といった幅広い用途での活用が見込まれる。
同社は2026年3月にオムロンから技術資産を承継して以降、販売や保守を含めた供給体制の整備を推進してきた。単なる印字にとどまらない高難度なレーザー加工ソリューションの提供を通じて、製造現場における新たな価値創出を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
セブンシックスがオムロンのレーザー関連技術取得、後継機種も提供へ
セブンシックスは、オムロンからレーザー加工関連技術および資産を譲渡されたと発表した。
オムロンが電子部品事業を米国投資会社に売却、新会社名はAratasに
オムロンは、デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)を米国の投資会社であるThe Carlyle Group(カーライル)に売却することを発表した。
オムロンが半導体・MEMS事業をミネベアミツミに譲渡、滋賀県野洲市の関連工場も
オムロンは2021年6月30日、半導体・MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)工場およびMEMS開発・生産機能を、ミネベアミツミの子会社であるミツミ電機に譲渡することを発表した。株式譲渡は、10月1日に完了する予定。
高平均出力、波長拡張、高繰り返し化で広がるレーザー加工の可能性
天田財団は、「OPIE'26」の併催イベントとして「2026年度 天田財団 助成研究成果発表会」を開催した。レーザープロセッシング分野と塑性加工分野の2分野で特別講演と助成研究成果発表が行われ、加工技術の新たな可能性が示された。本稿では、レーザープロセッシング分野の発表内容を紹介する。
三菱電機が大形ファイバーレーザー導入事例を初公開、自動化装置で夜間無人運転も
三菱電機は、アイアンレイ(群馬県高崎市)に納入した大形ファイバーレーザー加工機「ML6030GXL-F80」の特別見学会を開催した。国内初導入となる同機は、大判ワーク対応と厚板切断性能に加え、自社製ヘッドやAIによる加工監視機能を備える。現場では夜間無人運転や即日納品の実現など、生産性向上の効果も現れ始めている。
高速塑性変形が開く、異材接合と軽量材料成形の可能性
天田財団は、「OPIE'26」の併催イベントとして「2026年度 天田財団 助成研究成果発表会」を開催した。レーザープロセッシング分野と塑性加工分野の2分野で特別講演と助成研究成果発表が行われ、レーザー光源や高速塑性変形をテーマに、加工技術の新たな可能性が示された。本稿では、塑性加工分野の発表内容を取り上げる。

