物流、保管、塗装のエネを減らすコイルエンド絶縁用エポキシ樹脂粉体塗料:材料技術
住友ベークライトは、車載モータのコイルエンド絶縁用途向けに、常温保管開発品「ECP-383KA」および低温硬化開発品「ECP-382WA」を開発した。両開発品は、物流工程、顧客での保管、塗装工程におけるエネルギー使用量削減を目指して開発されたモノで、従来品同等の耐久性や塗装性を維持しながら、カーボンニュートラル実現に向けたサプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献する。
住友ベークライトは2026年8月20日、車載モータのコイルエンド絶縁用途向けに、環境負荷低減に貢献するエポキシ樹脂粉体塗料「スミライトレジン ECP」の新たなラインアップとして、常温保管開発品「ECP-383KA」および低温硬化開発品「ECP-382WA」を開発したと発表した。
両開発品は無溶剤型の粉体塗料でVOCを含まない
近年、電動車(xEV)向け駆動モータでは高出力化/高効率化に伴う高電圧化が進展しており、コイルエンド部の絶縁材料には高い信頼性が求められている。また、自動車業界ではカーボンニュートラルへの取り組みが加速しており、顧客での塗装工程だけでなく、輸送や保管を含むサプライチェーン全体でのエネルギー使用量削減が重要な課題となっている。
一方、同社はこれまで、高い耐久性を有するコイルエンド絶縁用エポキシ樹脂粉体塗料を提供してきた。工程ごとの課題に対応するため、物流/保管工程の負荷低減に貢献するECP-383KAと、顧客での塗装工程におけるエネルギー削減に貢献するECP-382WAを開発した。
常温保管用途向けの従来品は10℃以下での冷蔵輸送/冷蔵保管が必要だが、ECP-383KAは保存安定性を向上させることで、常温(10〜35℃)での輸送/保管を可能にした。これにより、冷蔵設備や低温輸送に伴うエネルギー使用量の低減に貢献する。
低温硬化用途向けの従来品は、硬化温度が160〜200℃だが、ECP-382WAは130℃での硬化が可能だ。硬化剤や樹脂の配合を最適化することで、従来品と同等の硬化性能および絶縁特性を維持しながら、塗装/硬化工程におけるエネルギー使用量削減に貢献する。
これらの開発品では、CO2削減に加え、コスト低減効果も期待できる。例えば、常温保管タイプでは、輸送時や保管時の温度管理要件の緩和による輸送/保管コストを減らせる他、低温硬化タイプでは、硬化温度の低減による電力使用量および電力コストを削減できる。
なお、これらの効果は使用条件や適用環境によって異なるため、同社では個別条件での評価/検証を推奨している。
いずれの開発品も無溶剤型の粉体塗料であり、揮発性有機化合物(VOC)を含まない。また、優れた接着性、電気絶縁性、機械強度を有し、複雑形状への均一な塗装や膜厚制御が可能であるため、車載モータ用途に求められる高い信頼性を実現している。
両開発品は、既に複数の顧客で評価/検討が進められており、好評を博しているという。ECP-383KAについては2030年の立ち上げを想定している。
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