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EV向けパワーユニットの体積を半減、住友ベークライトが次世代モジュール開発材料技術

住友ベークライトは東北大学と共同で、EV向けパワーユニットの体積を約半分にする「3D SiC-MOSFETパワーモジュール」を開発した。この強みは、パワーエレクトロニクス分野における競争優位性を高める重要な要素であり、将来的な成長と収益性の向上に寄与すると確信しているという。

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 住友ベークライトは2026年8月18日、東北大学との共同研究により、小型かつ高出力密度を実現する樹脂絶縁二層構造の「3D SiC-MOSFETパワーモジュール」を開発したと発表した。

 この成果は、両者が2025年1月に設立した共創研究所の枠組みの下で得られたもので、次世代の電動車両やエネルギー機器に革新的な価値を提供する技術基盤となる。

 同社は、モジュール設計の構想段階から積極的に参画し、材料メーカーとしての専門的な視点から最適な構造提案を行っている。

パワーモジュールの反りを20μm以下に

 国内外では、電気自動車(EV)の性能向上と走行距離の延長に伴い、車両全体の軽量化と動力システムの省スペース化の重要性が一層高まっている。特にモーター駆動用インバーターなどのパワーエレクトロニクス分野では、システムの高効率化とパワーデバイスの発熱増加への対応が求められている。こうした背景から、インバーターの小型化/薄型化と並行して高出力密度化を実現するための次世代パワーモジュールの研究開発が国内外で活発化している。

 一方、住友ベークライトは、東北大学が推進する世界最高クラスの高出力密度インバーターの構想を踏まえて、独自の高機能樹脂製品群を組み合わせ、3D SiC-MOSFETパワーモジュールを開発した。

 3D SiC-MOSFETパワーモジュールは、従来のセラミック絶縁基板に代わり、樹脂絶縁基板が採用されている。これにより、銅との線熱膨張ミスマッチを低減し、パワーモジュールの反りを20μm以下に抑えられる。

 これがモジュールと冷却器との接合材であるサーマルインタフェースマテリアル(TIM)の薄塗化を可能とし、熱抵抗を低減するとともに、冷却器との高信頼性接合を確保し、実装性を向上させた。

開発した3Dパワーモジュールの特徴(左)と冷却器接合のパワーモジュール(右)
開発した3Dパワーモジュールの特徴(左)と冷却器接合のパワーモジュール(右)[クリックで拡大] 出所:住友ベークライト

 さらに、新たに開発した銀セミシンタリング接合材の採用により冷却器との接合信頼性を高めている。この銀セミシンタリング接合材は、従来の高温/高圧が必要なはんだや焼結銀接合に比べ、低温/無加圧での接合を可能とし、モジュールに加わる熱応力を低減する。また、高密着や低弾性率の特長を有しており、冷却器との接合層の厚みが100μm以下の薄層でも信頼性と耐久性を高められる。

 今回の技術により業界標準と比較し、パワーユニットの体積を約2分の1にすることが可能となり、車内スペースの有効活用による居住空間/収納性の向上といった顧客価値の創出に貢献する。

従来の1層構造パワーモジュール(左)と2層構造パワーモジュール(右)
従来の1層構造パワーモジュール(左)と2層構造パワーモジュール(右)[クリックで拡大] 出所:住友ベークライト

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