次世代半導体の壁を超える、住友ベークライトの新液状封止材:材料技術
生成AIの普及を背景に、半導体パッケージの大型化/複雑化が急速に進んでいる。このトレンドに伴う製造上の大きな課題「基板の反り」を解決すべく、住友ベークライトが新たな一手となる液状封止材「EME-Lシリーズ」を開発した。
住友ベークライトは2026年5月18日、AI(人工知能)技術の進展に伴い、大型化/複雑化が進む半導体パッケージに対応するため、低反り/高信頼性の液状封止材「EME-Lシリーズ」を開発し、供試を開始したと発表した。
2027年の認定採用を目指す
生成AIの急速な普及により、半導体パッケージにはさらなる機能追加、処理速度の向上、処理容量の増加が求められている。その結果、2.xD/3D構造やチップレット構造の採用が進み、パッケージサイズ自体の大型化が進んでいる。
このような状況下で、経済生産性を維持しながらパッケージの大型化を実現するためには、液状封止材にもさらなる低反り性/加工性能の向上が求められている。そこで住友ベークライトは、顧客からの強い要望を受け、これらのニーズに応える液状封止材の開発に着手した。
液状封止材のEME-Lシリーズは、固形封止材の開発で培ってきた配合技術や処方技術、さらに電子材料向け液状製品のプロセス技術を応用することで、低反り性能と必要な加工性能の両立を可能にした。この低反り性能により、封止後のプロセスでの取り扱いが容易になる。
また、モールドアンダーフィルが可能な製品もラインアップしており、アンダーモールドとオーバーモールド(全体封止)の工程を一体化することで、製造プロセスを削減し、効率化を図ることができる。これらの特長により、次世代パッケージの高機能化、大型化の実現に貢献するという。同社は、2026年4月に供試を開始し、2027年の認定採用を目指す。
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