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電池開発の静電気問題を解決するドライエア用イオナイザ発売研究開発の最前線

島津製作所は、ドライエア環境に特化した卓上型コロナ放電式イオナイザ「STABLO-AP DRY AIR」を発売した。STABLO-AP DRY AIRは、周波数や電圧を微細に調節できる独自の放電制御を採用することで、ドライエア環境においても低コストと安全性に優れた静電気対策を実現した。

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 島津製作所は2026年8月4日、ドライエア環境に特化した卓上型コロナ放電式イオナイザ「STABLO-AP DRY AIR」を同日に発売したと発表した。

ドライエアを充填したグローブボックスなど、多様な環境で使用可能

 近年カーボンニュートラルの進展に伴い電池の研究/製造が活発化している。空気中の水分が電池性能や安全性に悪影響を与えることから、リチウム電池など二次電池の研究/開発および製造は、水分を除去したドライエア環境で行われる。

 しかし、こうした環境では静電気が発生しやすく、粉末試料の付着や飛散によって電池性能の評価や品質管理に支障をきたしていた。ドライエア環境では、標準大気環境とは全く異なるコロナ放電の挙動を示すため、標準大気用のコロナ放電式イオナイザでは十分な除電効果が得られない。

 その代替として軟X線方式や真空紫外線方式の装置があるが、遮蔽(しゃへい)構造や安全対策が必要で、導入や保守のコストがかさむ。

 そこで同社はSTABLO-AP DRY AIRを開発した。STABLO-AP DRY AIRは、コロナ放電式イオナイザにより、ドライエア(露点温度-30℃dp以下)環境での安定した除電を実現する。電池製造プロセスで用いられるドライルームやドライブースの他、ドライエアを充填したグローブボックスやオープンドライチャンバーなど、多様な環境で使用できる。

専用スタンドで自立(左)、分析天びん「AP W-ADシリーズ」に内蔵(中央)、作業者による手持ち(右)
専用スタンドで自立(左)、分析天びん「AP W-ADシリーズ」に内蔵(中央)、作業者による手持ち(右)[クリックで拡大] 出所:島津製作所

 同製品は、専用スタンドでの自立や分析天びん「AP W-ADシリーズ」と「APシリーズ」への内蔵に対応することに加えて、作業者による手持ちでの使用可能だ。また、微小圧縮試験機「MCTシリーズ」と一緒に使うことで、粉体や微細材料の評価にも使える。

 さらに、従来の不活性ガス環境向けで用いられてきた放射線式(軟X線方式、真空紫外線方式)イオナイザは、STABLO-AP DRY AIRと比べて価格が3〜4倍で、放電針やランプといった高価な消耗品を高頻度で交換する必要があった。STABLO-AP DRY AIRの価格は16万5000円(税込)で、ランニングコストも経済的だという。

 なお、島津製作所はこれまでに、標準大気環境で除電する「STABLO-AP」に加え、アルゴン環境専用の「STABLO-AP Ar」、窒素環境専用の「STABLO-AP N2」を発売してきた。

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