高硬度材加工に対応、マルチローラタイプの鏡面仕上げ工具:工作機械
スギノマシンは、高硬度材の加工に対応したマルチローラタイプの新型「スパロールSHX/SBX」の販売を開始したことを発表した。
スギノマシンは2026年7月30日、高硬度材の加工に対応したマルチローラタイプの新型「スパロールSHX/SBX」の販売を開始したことを発表した。金属表面を滑らかに仕上げる鏡面仕上げ工具「スパロール(SUPEROLL)」シリーズの新ラインアップとなっており、従来はローラバニシング加工が困難であった熱処理後の高硬度な対象物(ワーク)に対しても、短時間で高精度な鏡面仕上げと、部品の寿命を延ばす表面改質を実現する。
スパロールは、ローラによる転圧加工で金属表面を塑性変形させ、滑らかに仕上げると同時に表面改質(耐摩耗性/疲労強度の向上など)を実現する鏡面仕上げ工具だ。新製品は、熱処理後の高硬度材(硬度:HRC40〜65、材質:SUJ2、SCM415、SCM440、S45C、SKD61など)に対する高精度な鏡面仕上げを可能にした。
従来は専用設備が必要だった「内面研削」や「ホーニング」といった仕上げ加工を既存の工作機械で完結させることができ、加工時間の短縮、コスト削減、工程集約による大幅な生産性向上に貢献する。
近年の製造現場では、部品の長寿命化/高性能化のために高硬度材の採用が拡大し、同時に工程集約を目的としたハードターニング(焼入れ鋼の旋削加工)が普及している。だが、ハードターニングのみでは切削痕(送り目)が残るため表面粗さの改善に限界があり、耐摩耗性や摺動性が不足するといった問題があった。そのため、多くの高性能部品は内面研削やホーニングで仕上げる必要があり、加工時間の長さや専用設備の導入コスト、砥石の管理などが生産性向上の大きな壁となっていた。
そこで、スパロールSHX/SBXでは、ハードターニングで課題となる切削痕による表面粗さや摺動性不足を押しならすことで高品質な表面に改善する。後工程で表面粗さの改善ができるため、前工程であるハードターニングの送り速度を大幅に上げることが可能になる他、従来の内面研削やホーニング工程をスパロールSHX/SBXに置き換えることで、課題となっていた加工時間を短縮できる上、専用の研削設備やホーニング盤が不要となる。
また、スパロールSHX/SBXは、押し付ける力の調整により凸部のみをつぶす制御が容易に行えるため、前工程のハードターニングの切削痕の凸部のみを的確に押しつぶし、微細な凹部を有するプラトー面を安定して成形できる。高い真円度/円筒度が求められる場合は、内面研削後に本ツールを用いることで高精度なプラトー面が得られる。高コストで長時間を要する従来の「プラトーホーニング」と比較し、既存の工作機械を用いて短時間・低コストで加工できる。
スパロールSHX/SBXは旋盤に加え、マシニングセンタなど多様な工作機械で使用できる。さらに、交差穴、キー溝、Оリング溝などの断続形状を有するワークにも対応する。自動車のトランスミッションギヤや油圧バルブスリーブ、各種ベアリングの内外輪、建設機械部品、航空機部品など、多様な高硬度部品の加工に適している。
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