スマホ認証機構と資格確認用PCを内蔵した新型「顔認証付きカードリーダー」を発表:医療機器ニュース(2/2 ページ)
パナソニック コネクトグループは、医療機関/薬局向けに展開している「顔認証付きカードリーダー」の新型モデルを2026年8月24日から販売を開始すると発表した。価格(税込み)は37万9500円だ。
開発者が語る新型モデルのこだわりポイントとは何か
会見では、今回発表した顔認証付きカードリーダーの開発に携わった社員によるトークセッションを行い、新型モデルを「コンパクトさの追求」と「使いやすさの追求」の2つの観点で紹介した。
コンパクトさの追求として、まず資格確認用のPCをカード読み取り端末に内蔵することを選択したという。パナソニック コネクト 現場ソリューションカンパニー センシングSBU プロダクトマネジメント1部 2課の永石裕二氏は「現行機や新型モデルの開発時には、医療機関の受付は非常に狭いということが分かっていたため、いかにコンパクトに設計するかに注力していた。実際の医療機関に訪問した際に、病院にはさまざまな機器が導入されており、排熱性が悪いといったシビアな環境で使用していることが分かった。これを受けて、最初から資格確認用のPCをカードリーダーに内蔵しようと真面目に検討したのが開発の最初の段階に当たる」と振り返る。
新型モデルは現行モデルの機能を維持しつつ新しい機能を追加するため、現行モデルで使用している部品を見直している。顔認証用のカメラやマイナンバーカードを読み取るカメラを小型の製品に変更してカードリーダー内に空きスペースを作り、そこに資格確認用のPCや新機能に必要な部品を組み込んだ。パナソニック コネクト 現場ソリューションカンパニー 開発センター ハード開発部 コンポーネント開発課の高野大夢氏は「部品の選定は当社のノートPC『Let's Note(レッツノート)』開発部隊の協力を得て、小型化にチャレンジした。どのように部品を組み込むのかを複雑な立体パズルを組み上げるイメージで繰り返し検討した」と語る。
新型モデルはCPUにインテルの「Core i3-N305」を採用し、16GBのメモリと256GBのSSDを搭載している。また、空冷ファンも内蔵して排熱機構も確保している。「大型のファンをゆっくり回すことで、ファンの音が大きくならないようにかなりケアをして設計している」(永石氏)。
使いやすさの追求として、新型モデルはスマートフォンのマイナンバーカード認証に対応させた。初めて利用する人でも分かりやすくスマートフォン認証ができるようにリーダーの位置を調整し、操作に迷わないようにアニメーションによる案内を画面に表示し、インジゲーターを点灯させることで、どこにスマートフォンをかざせば良いのかを直感的に理解できるようにデザインしている。
画面のサイズも患者の使いやすさを考慮してさまざまなサイズのモニターを試し、最終的に7インチの縦型モニターを採用している。パナソニック コネクト デザイン&マーケティング本部 デザイン統括部 第1エクスペリエンスデザイン部 GSOLデザイン課の大嶋佑典氏は「画面のデザインについても改善を施し、7インチのモニターを最大限に生かしたレイアウトや色を調整することにより、視認性を向上させている。操作するボタンが分かりやすいように縁を取り、ボタンの大きさも拡大することで操作しやすくなった」と強調する。
また、タッチパネルで操作をしづらいという利用者向けに外部接続のテンキーを用意し、手元に引き寄せて操作を実施できるようにしている。キーピッチを広めにして、キーストロークを深くすることで押し感を感じられるデザインに仕上げている。
新型モデルの開発を振り返り、永石氏は「患者や医療機関の使いやすさを第一に、省スペース性を実現し、直感的に分かりやすいUIを存分に新端末に盛り込んだ。新型モデルを通じて医療機関の業務効率向上に貢献したい」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
NVIDIAとの協業で進化するブルーヨンダー、AIを活用したSCM変革を支援
パナソニック コネクトは、同社グループのBlue Yonder(ブルーヨンダー)が展開するSCM(サプライチェーンマネジメント)ソリューション事業の最新動向や導入事例を紹介した。ブルーヨンダーは2026年度から7つの要素を備えた「コグニティブソリューション」を提供しており、事業のさらなる拡大を目指す。
AIで立ち上げ工数約9割削減、パナソニックが溶接外観検査の自動化システム
パナソニック コネクトグループは、3DセンサーとAI技術を融合し、溶接後の外観検査工程を自動化する「Bead Eye M edition」を発売した。自動化の最大の課題である設定の難しさをAIで解消し、検査を効率化する。
パナソニックがドライバー実装機、7〜26インチの中型有機ELパネル向け
パナソニック コネクトグループは、中型有機ELパネルの製造工程向けに、新型ドライバー実装機「FPX107CG/FP」を発売する。7〜26インチの中型パネルサイズに対応する。
パナソニックの実装機はソリューション領域のど真ん中、サービスポータルが起点に
パナソニック コネクトは、「JISSO PROTEC 2026(第27回実装プロセステクノロジー展)」において、表面実装機をネットワーク接続し最適なパラメーター管理や予兆保全などを可能にするクラウドベースのサービスポータル「GENTRUS HUB」を紹介した。
「TOUGHBOOK」による過酷な環境でのエッジコンピューティングが可能に
Red Hat(レッドハット)とパナソニック コネクトは業務提携し、「TOUGHBOOK」に「Red Hat Device Edge」を統合した。オフラインやリモート環境でも動作し、過酷な環境におけるリアルタイムのデータ処理を可能にする。
最大5台まで月2万円から、パナソニックコネクトのロボット制御基盤が拡充
パナソニック コネクトグループは、ロボット制御プラットフォーム「Robo Sync」の機能追加および提供プランの拡充を実施した。製造現場向けの画像処理機能の強化や、買い切り型プランの新設により柔軟な自動化を支援する。





