自動車業界は脱グローバル化の時代へ移行 次の成長領域は「AI定義車両」に:製造マネジメントニュース
アリックスパートナーズは、「2026年版グローバル自動車業界見通し」を発表した。自動車業界は脱グローバル化(地域化)の時代へ移行すると予測した。
アリックスパートナーズは2026年7月7日、「2026年版グローバル自動車業界見通し」を発表した。自動車業界は脱グローバル化(地域化)の時代へ移行すると予測し、中国勢の海外進出、米国の保護主義、AIDV(AI Defined Vehicle:AI定義型車両)への対応が今後の競争力を左右すると指摘した
同社は2026年の市場見通しとして、米国の新車販売台数が前年比2.5%減の1580万台、中国も同10%減の2460万台になると予測。一方、中国メーカーは海外展開をさらに強化し、欧州での中国ブランド車の市場シェアは2030年に16%、2031年には17%に達すると見込む。
中国自動車市場では価格競争の激化による収益圧迫が続いており、メーカー各社は成長機会を海外市場に求めている。中国メーカーの輸出台数は2025年の710万台から2026年には約1000万台に拡大すると見込んでいる。
このような動きは欧州メーカーやサプライヤーにとって大きな脅威となる。欧州(ロシアを含む)における中国ブランド車の販売は2026年に前年比25%増の230万台に達し、市場への浸透がさらに進んでいくと予測する。一方、中国市場そのものでは外資系メーカーの販売減少が続くとみられ、中国以外の完成車メーカーやサプライヤーは、中国依存から脱却し、自国市場での競争力強化を迫られると指摘している。
米国市場ではICE(内燃機関車)とHV(ハイブリッド車)の販売が引き続き主流となる「新ICE時代」の到来を予測する。短期的には自動車メーカーに利益機会をもたらすものの、長期的には競争力低下のリスクも潜んでいる。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再編に伴い、自動車メーカーが「USMCA準拠仕様」と「中国技術を活用したグローバル仕様」という製品体系への対応を求められると分析。加えて、USMCA 2.0への対応では、年間で1台当たり最大2000ドルの追加的なコンプライアンスコストが発生する可能性があるとしている。
自動車業界の次の成長領域としてAIDVを挙げている。AIDVはOTA(無線アップデート)に頼るだけでなく、車両自身が学習や自己修復を行うことを想定した次世代アーキテクチャで、製品開発の効率化や車両性能の向上に大きな可能性を持つという。ただし、その実現には大量の半導体が必要となる。AI(人工知能)データセンター向け需要が急拡大する中、2028年までに主要メモリ需要の約50%をデータセンターが占めると予測されており、自動車業界との半導体獲得競争が激化する見通しだ。
日本市場に関しては、EV(電気自動車)の普及が徐々に進むと予測した。EVの市場シェアは2026年の4%から、2030年には11%、2035年には30%へ拡大する見通しだ。背景にはBYDなど中国メーカーを含む海外OEMの参入拡大がある。競争激化による車種の多様化や価格低下が進み、消費者の選択肢が広がることでEV普及を後押しすると見ている。
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