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製造業へのナフサショック影響が明らかに、プラ製品製造業100%が価格に支障製造マネジメントニュース

日本政府は「必要な量は確保できている」と説明するものの、現場の悲鳴は止まらない――。東京商工リサーチの最新調査で、国内企業の実に85%がナフサなど石油化学製品の「調達や価格に支障がある」と回答したことが明らかになった。製造業への影響とは……。

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 東京商工リサーチは2026年6月11日、ナフサに関する企業向けインターネットアンケート調査の結果を発表した。同調査では2026年6月1〜8日にかけて行ったインターネットアンケートで得られた6788社の有効回答を集計し、分析した。なお、資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業などを含む)を中小企業と定義した。

「調達量と価格のいずれか、または両方に支障がある」は85%

 同調査の結果によれば、「ナフサなどの石油化学製品の原料について、政府は『日本全体で必要な量は確保できている』との見解だ。現在、使用する石油化学製品の調達に支障はあるか」と対象企業に質問したところ、「調達量/価格ともに支障がある」と答えた企業は全体の54.1%を占め、最も多かった。

「ナフサなどの石油化学製品の原料について、政府は『日本全体で必要な量は確保できている』との見解だ。現在、使用する石油化学製品の調達に支障はあるか」への回答結果
「ナフサなどの石油化学製品の原料について、政府は『日本全体で必要な量は確保できている』との見解だ。現在、使用する石油化学製品の調達に支障はあるか」への回答結果[クリックで拡大] 出所:東京商工リサーチ

 続いて、「調達量は問題ないが、価格は支障がある」が25.8%で、「調達量/価格ともに問題ない」が14.9%、「調達量に支障をきたしているが、価格は問題ない」が5.1%となった。規模別では、それぞれの回答で大企業と中小企業の差は3%以内にとどまり、影響は規模を問わず広がっている。

 「調達量に支障がある」と回答した企業の業種別では、トップは「自動車整備業」の86.7%だった。「価格に支障がある」のトップは「プラスチック製品製造業」と「非鉄金属製造業」の各100%となった。

 「中東情勢の緊迫化(2026年2月末)以降、石油化学製品の在庫を積み増したか。数量ベースで回答してください」と対象企業に尋ねたところ、積み増したと回答した企業のうち、最多は「前年比1〜20%程度増加させた」の22.2%だった。次いで、「前年比21〜40%程度増加させた」は6.2%で、「前年比41〜60%程度増加させた」は1.3%となった。

「中東情勢の緊迫化(2026年2月末)以降、石油化学製品の在庫を積み増したか。数量ベースで回答してください」への回答結果
「中東情勢の緊迫化(2026年2月末)以降、石油化学製品の在庫を積み増したか。数量ベースで回答してください」への回答結果[クリックで拡大] 出所:東京商工リサーチ

 規模別でみると、在庫を積み増した企業は中小企業で31.2%に対し、大企業では24.0%にとどまった。中小企業ほど、防衛的な在庫積み増しに動いているようだ。

 産業別では、製造業の40.4%が最も高かった。次いで、小売業の37.3%、卸売業の34.2%と続いた。

 加えて、ナフサなどの在庫を「前年比で増加させた」あるいは「前年比で減少させた」企業を業種別でみたところ、増加させた業種は、トップが「非鉄金属製造業」の53.1%だった。次に、「ゴム製品製造業」の50.0%、「洗濯/理容/美容/浴場業」の47.3%となった。洗濯洗剤やタイヤなどの製品は値上げや納品遅れが予想されている点を踏まえると、生産が不安視されている業種で在庫の積み増しが行われていると考えられる。

 一方、減少させた業種は、「娯楽業」が13.3%で、「自動車整備業」が12.9%と続いた。

 「政府は5月、『6月に必要な原油を確保できる見通しが立つことから、第3弾の国家備蓄放出はしない』と公表した。この方針を支持するか」と対象企業に聞いたところ、「どちらともいえない」と回答した企業は47.4%で最多となった。次いで、「ある程度支持する」は23.8%、「あまり支持しない」は13.4%と続いた。半数が判断を避け、「大いに支持する」と「ある程度支持する」が合計30.5%に対し、「あまり支持しない」と「全く支持しない」は21.9%だった。

「政府は5月、『6月に必要な原油を確保できる見通しが立つことから、第3弾の国家備蓄放出はしない』と公表した。この方針を支持するか」への回答結果
「政府は5月、『6月に必要な原油を確保できる見通しが立つことから、第3弾の国家備蓄放出はしない』と公表した。この方針を支持するか」への回答結果[クリックで拡大] 出所:東京商工リサーチ

 規模別では、大企業では「支持する」が28.1%、中小企業では30.7%と大差なく、「支持しない」は大企業で18.4%、中小企業で22.2%とわずかながら中小企業が上回った。

 産業別では、「支持する」が最も多いのは「情報通信業」の38.2%で、「支持しない」が最も多いのは「小売業」の24.3%だった。

 今回のアンケート調査では、「調達量と価格のいずれか、または両方に支障がある」との回答が85.0%に達した。ナフサなど化学製品基礎原料の供給不安は、幅広い産業に広がっていると考えられる。

 政府は、ナフサ不足は「供給の偏り」や「流通の目詰まり」が原因と説明するが、足元では企業の在庫積み増しが起こり、今回のアンケート調査では企業の30.7%が「積み増した」と回答した。特に、中小企業が在庫積み増しに動いていることが分かった。

 ナフサ不足の影響で、食品業界では包装フィルムをカラーから白黒に変更し、パスタを束ねるテープを無地にしている。

 また、建築/住宅資材メーカーでは、トイレ/ユニットバス/塩ビ管などで支障が起きており、医療現場でも注射器、点滴バッグ、手袋などに影響が出ている。ごみ袋の欠品を受けて、指定外のごみ袋でのごみ出しを認めるなどの自治体もあり、消費者にも目に見える影響が出始めている。

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