DFMEAで故障を先回り! 信頼性設計とCAE活用の基本:若手エンジニアのための機械設計入門(17)(3/3 ページ)
3D CADが使えるからといって、必ずしも正しい設計ができるとは限らない。正しく設計するには、アナログ的な知識が不可欠だ。連載「若手エンジニアのための機械設計入門」では、入門者が押さえておくべき基礎知識を解説する。第17回は、DFMEAを起点に故障モードを整理し、設計改善やCAE検証へつなげる考え方について取り上げる。
DFMEAをCAE検証へつなげる
DFMEAで洗い出した故障モードや原因仮説は、可能な限り設計時点で検証する必要があります。その有力な手段が「CAE」です。CAEは、単に応力値や変形量を見るための道具ではありません。DFMEAで想定した故障モードが本当に起こり得るのかを、設計段階で確認するための手段といえます。
例えば、DFMEAでは次のようにCAEへつなげることができます。
「応力集中による疲労破壊」が挙がった場合は、構造解析によって応力集中部位を確認できます。荷重条件を変えながら、どの部分に応力が集中するのか、形状変更によって応力が下がるのかを検討することが可能です。
「変形による干渉」が故障モードであれば、変形解析によって部品間のクリアランスが確保されているかどうかを確認できます。
「熱による寸法変化」や「温度上昇による性能低下」が問題であれば、熱伝導解析や熱流体解析、さらにそれらと連成した熱応力解析により、温度分布や熱変形を確認することが可能です。
「振動による緩み」や「共振」が懸念される場合は、固有値解析によって構造の振動特性を確認できます。
「接触圧の上昇による摩耗」や「焼き付き」が懸念される場合は、接触解析によって面圧や接触状態を確認することが可能です。
DFMEAで想定した故障モードは、CAEの解析目的そのものになります。設計者がCAEを行うときに重要なのは、解析を実施する前に、何を確認したいのかを明確にすることです。
「最大応力を見る」のではなく、「どの故障モードを確認するために応力を見るのか」を明確にする必要があります。
今回のまとめ
DFMEAは、設計段階で故障モードを考え、信頼性を作り込むための手法です。重要なのは、表を作ることではなく、設計者が自分の設計意図に対して、どのような故障が起こり得るかを考えることです。
FTAは、重大な不具合の原因を深掘りするために使えます。フィッシュボーン図は、原因候補を広く洗い出すために有効です。これらは、DFMEAを補助する道具として活用できます。
そして、DFMEAで見つけた故障モードや原因仮説は、設計改善につなげる必要があります。形状、材料、寸法、公差、表面処理、締結、潤滑、検査、試験条件へ反映して初めて、信頼性設計は意味を持ちます。
さらに、設計時点で実施できる検証手段としてCAEがあります。CAEは、DFMEAで想定した故障モードを確認するための道具です。信頼性設計とは、壊れてから対策する活動ではありません。
設計段階で故障モードを想定し、DFMEAで整理した内容をCAEで検証して、その結果を設計に反映する活動です。これこそが、機械設計者が実務で身に付けるべき信頼性設計の第一歩です。 (次回へ続く)
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