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データムを必要とする幾何公差【その2】〜姿勢公差の直角度〜:産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(9)(1/4 ページ)
機械メーカーで機械設計者として長年従事し、現在は3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者が公差計算や公差解析、幾何公差について解説する連載。第9回はデータムを必要とする幾何公差をテーマに、姿勢公差の直角度について取り上げる。
前回は「データム(Datum)」を必要とする姿勢公差の5つの幾何公差のうち、「平行度」について解説しました。今回はその続き「直角度」です。
1−2.直角度(Perpendicularity)
直角度とは何でしょうか。「JIS B 0621:1984」(以下、JIS)によると、
データム直線またはデータム平面に対して直角な幾可学的平面からの直角であるべき直線形体または平面形体の狂いの大きさをいう
と定義されています。
これをもう少し分かりやすく表現すると、「直角度は、データムに対してどれくらい正確な直角であるかという許容値を表している」と言い換えることができます。なお、その許容値を示す単位は[mm]であり、[度]ではありません。
直角度は大きく3種類あります。それぞれ順番に見ていきましょう。
1−2−1.直線形体または平面形体のデータム直線に対する直角度
ここで使用するデータムは、直線形体になります。その一例として、中心軸にデータムおよび直角度を設定した場合を図示します(図3)。
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