ボッシュとオモビオのソフト子会社が禁断のタッグ!? ADAS向けソフト基盤で協業:人とくるまのテクノロジー展2026
イータスとエレクトロビット日本は、「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」において、両社が協業して構築したADAS向けソフトウェア基盤のデモ展示を披露した。
イータスとエレクトロビット日本は、「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」(2026年5月27〜29日、パシフィコ横浜)において、同年5月27日に発表したADAS(先進運転支援システム)向けソフトウェア基盤のデモ展示を披露した。
このADAS向けソフトウェア基盤は、エレクトロビットの車載Linuxベースのソフトウェア基盤「EB corbos Linux for Safety Applications」と、イータスの「ETAS Vehicle Software Platform Suite」を構成するADAS向けミドルウェアを組み合わせたものだ。EB corbos Linux for Safety Applications、ETAS Vehicle Software Platform Suiteとも、ADAS開発に求められる自動車向け機能安全規格ISO 26262の安全要求レベルのうちASIL-Bをクリアしている。
ASIL-Bを満たす車載Linuxとミドルウェアをあらかじめ統合した形で提供することにより、顧客である自動車メーカーやティア1サプライヤーのインテグレーション工数を大幅に削減できる利点がある。エレクトロビット日本 代表取締役社長の川井昭彦氏は「これまでADASの開発ではリアルタイムOSを用いるのが一般的だった。しかし、AI(人工知能)技術の進化により自動運転技術のE2E(エンドツーエンド)方式のアルゴリズムの開発が加速するなどしており、Linuxとの組み合わせも検討が進みつつある。ADAS向けミドルウェアで高い実績を持つイータスとの協業により、業界で唯一ASIL-Bを満たすオープンなADAS向けソフトウェア基盤として提案を進めていきたい」と語る。
イータス 代表取締役社長の水本文吾氏は「当社はこれまでも車載ソフトウェアを提供する上で、クローズドではなくオープンなスタンスで取り組んできた。今回、ASIL-Bをクリアする車載Linuxを唯一提供可能なエレクトロビットと協業することは、顧客にとって大きなメリットになると考えている」と強調する。
イータスの展示ブースでは、ADAS向けソフトウェア基盤を用いたデモを披露した。カメラで他車両の接近を認識した場合に、車両を避けるようにステアリングを自動で操作するADASを想定したデモで、カメラ認識ECUに今回のADAS向けソフトウェア基盤を組み込んでいる。一方、ステアリング制御ECUは、yocto-LinuxをベースにEclipse S-COREで開発中のミドルウェアを組み込んでいる。「Eclipse S-COREの活動には、イータスもエレクトロビットも参加しており、オープンなSDV(ソフトウェアデファインドビークル)のエコシステム構築に貢献している」(水本氏)という。
ADAS向けソフトウェア基盤を用いたデモ展示。写真内左下にあるカメラが赤いミニカーを認識し、同左上のディスプレイ上に表示されているステアリングを自動で操作してミニカーを避ける。中央にあるのがADAS向けソフトウェア基盤を組み込んだカメラ認識ECUで、その右側にステアリング制御ECUがある[クリックで拡大]
なお、イータスは欧州大手ティア1サプライヤーであるボッシュの子会社であり、エレクトロビットも同じく欧州大手ティア1サプライヤーであるオモビオの子会社である。ボッシュとオモビオは競合関係にあり、車載ソフトウェアベンダーとしてイータスとエレクトロビットも競合する場面があるものの、ADAS開発トレンドの大きな曲がり角を迎える中で今回の協業に踏み切ることを決めた。
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