パナソニックHDはAIインフラ事業2.5倍成長に向け5000億円投資、MIF戦略も推進:製造マネジメントニュース(3/3 ページ)
パナソニックHDは、2025年度の連結業績を発表するとともに、グループ経営改革の進捗状況と2032年までを見据えた成長戦略について説明した。
AIインフラ関連事業の売上高を2倍以上に、5000億円の投資も
パナソニックHDでは、2025年度までで構造改革にめどが立ったことからあらためて2032年までを見据えた成長戦略を示した。2032年に向け「AIインフラと社会オペレーションを支える」とテーマに、AIインフラに関連するエネルギーの有効活用と、社会オペレーションにおける現場労働力不足の解消に取り組み、これらに関連する領域に投資を進め、事業成長を実現する。これらの取り組みにより2028年度には調整後営業利益7500億円以上を目指す。また、その内AIインフラ関連の調整後営業利益は1300億円まで拡大する方針だ。
AIインフラ関連では、主に頭脳に当たるGPUやASIC周辺の高速化対応や、心臓に当たる電源周りのバックアップやピークカット関連商材で成長する考えだ。これらに関して業界キープレーヤーとの関係を強みに着実な成長をつかんでいく。
AIインフラ関連事業は、2025年度が5520億円だったのに対し、2028年度には1兆3800億円まで成長する見込みだ。調整後営業利益についても、1200億円(2025年度)から2900億円(2028年度)まで伸ばす。これに伴い、投資も積極的に進め、2026〜2028年度の3年間で約5000億円の投資を行う。「投資の大部分は、生産の切り替えが大きい。車載からデータセンター向けへの切り替えが当面の取り組みだ」と和仁古氏は述べる。
コネクテッドMIFを中心としたソリューション拡大
社会オペレーションについては「止めない、省エネ、省人化」を切り口にソリューション事業の展開を強化する。具体的には、すでに導入しているハードウェアの優位性を生かし、Machines In the Field(顧客現場で稼働している製品、MIF)を軸に、サービス提供の幅を広げる方針だ。「既に導入ベースのハードウェアを多く持つことがパナソニックグループの強みだ。これらのハードウェアをコネクテッド化することで、利用状況などの顧客理解も深まっていく。そのデータなどを生かし、顧客へのお役立ちを広げていく」と楠見氏は考えを述べる。
既に、冷凍ショーケースにおいて、遠隔監視と故障予知などのサービスを組み合わせて展開している事例や、航空機内のエンタテインメントシステムとトータル保守サービスを組み合わせて展開している事例など、さまざまな取り組みを進めているが、これらをさらに拡大していく考えだ。楠見氏は「コネクテッド化でMIFを起点に運用支援など、貢献の幅と期間を拡大する。多様な現場にアクセスして豊富なノウハウを継承し、サービス提供を進めていく」と語っている。
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