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テレビとキッチン家電は課題事業脱却も、車載電池の不透明感漂うパナソニックHD製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

パナソニックHDは、2026年3月期第2四半期の連結業績を発表するとともに、構造改革の進捗状況について説明した。

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 パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は2025年10月30日、2026年3月期(2025年度)第2四半期の連結業績を発表するとともに、2025年2月および5月に発表した構造改革の進捗状況について説明した。課題事業として位置付けていたテレビ事業やキッチンアプライアンス事業で改善がみられた一方で、主力の車載電池事業が米国のEV(電気自動車)支援策が終了した影響で低迷し、リソースシフトを進める考えを明らかにしている。

米国EV市況の低迷により車載電池事業が苦戦

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パナソニックHD 執行役員でグループCFOの和仁古明氏

 パナソニックHDの2025年度第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比10%減の1兆9238億円、調整後営業利益が同26%減の904億円、営業利益が同41%減の781億円、税引き前利益が同41%減の869億円、当期純利益が同40%減の709億円で、減収減益となった。

 想定外となったのが、米国EV市場の冷え込みだ。パナソニックHD 執行役員でグループCFOの和仁古明氏は「米国で関税政策の変更やEV購入者に対する補助政策『IRA 30D』の終了などがあり短期的にEV需要が減速し、影響を受けている。一方でAI(人工知能)データセンター向けの電源システムとしての需要は大きく伸びている」と状況の変化について述べている。

photophoto パナソニックHDの2025年度第2四半期連結業績(左)とセグメント別業績(右)[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD
photophoto パナソニックHDの2025年度通期業績見通し(左)とセグメント別業績見通し(右)[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

2次電池はAIデータセンター向けにリソースシフト

 エナジー分野のうち、車載電池事業は、年間販売見通しも当初は46GWhを想定していたが、40GWhに下方修正する。これに伴い、2025年度の売り上げ見通しを期初想定より1280億円引き下げ、4260億円とする。調整後営業利益は、米国関税によるマイナス影響240億円を含み、620億円引き下げ、360億円とした。和仁古氏は「米国で新たな供給先拡大や戦略顧客の商品競争力強化を推進する一方、データセンター向け需要の急拡大に対応すべく、日本国内の車載電池の生産キャパシティーの有効活用やカンザスでの生産についても検討する」と対策について述べている。

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車載電池事業の2025年度第2四半期の状況[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

 一方、AI利用の拡大により増設が進むデータセンター向けでは、産業用電池が好調を続けている。2025年度期初時点では前年度比1.5倍の成長を想定していたが、1.7倍まで成長する見込みだ。2025年度の売上高も期初想定から170億円上方修正して5010億円とする。調整後営業利益も90億円上方修正し790億円に引き上げる。

 和仁古氏は「ハイパースケーラーのデータセンター投資は2026年度以降も続き需要の急拡大はさらに続く。これに合わせ、2次電池全体の生産能力の最適化を進め、需要に合わせた供給体制を構築する。電圧変動の平準化など、次世代ソリューションの開発力強化なども進める」と述べている。

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産業/民生用電池事業の2025年度第2四半期の状況[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

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