ソニー、「XYN」の空間キャプチャーソリューションを法人向けに提供:デジタルツイン
ソニーは、空間コンテンツ制作を支援するソリューション群「XYN」の空間キャプチャーソリューションを法人向けに提供開始する。2026年4月18日から日本市場向けに提供を開始し、米国へも順次展開する予定だ。
ソニーは2026年4月14日、空間コンテンツ制作を支援するソリューション群「XYN(ジン)」の空間キャプチャーソリューションを法人向けに提供開始すると発表した。同年4月18日から日本市場向けに提供を開始し、米国へも順次展開する予定だ。
空間キャプチャーソリューションは、高品質な3D CGアセットを生成し、空間コンテンツとして活用するワークフローを支援する。
3つのソフトウェアツールで構成される空間キャプチャーソリューション
今回提供するソフトウェアツールは、空間コンテンツのための撮影を支援するスマートフォンアプリケーション「XYN Spatial Scan Navi」、現実空間を高品質な3D CGアセットとして生成するクラウドアプリケーション「XYN Spatial Scan」、高画質で安定した映像表示を実現するレンダリングプラグイン「XYN Spatial Renderer Plugin」の3つとなる。
1つ目のXYN Spatial Scan Naviは、同社のデジタル一眼カメラ「α(アルファ)」とスマートフォンを接続することで、撮影すべき位置や角度をAR(拡張現実)で可視化し、適切な撮影を支援する。撮影した位置を俯瞰して確認できる他、撮影が完了した部分をリアルタイムで分かりやすくプレビューすることも可能だ。さらに、被写体に合わせた最適なカメラ設定や撮影をアプリケーション側で制御するため、空間コンテンツの撮影に関する専門知識がなくても一定品質の撮影が行える。
そして、2つ目のXYN Spatial Scanは、バーチャルプロダクションで一般的に用いられる数m規模の大型LEDに表示した場合でも、同社独自の生成アルゴリズムにより、反射や光沢、遠景の空気感などを高解像度で忠実に再現できる。クラウド上で生成処理を行うため、特別な制作環境を用意せずに導入することが可能だ。さまざまなカメラの撮影データに対応するとともに、生成したデータは「Unreal Engine」などのワークフローに組み込める。
3つ目のXYN Spatial Renderer Pluginは、XYN Spatial Scanで生成した3D CGアセットをプロダクション品質で再生できるソニー独自のレンダリングプラグインだ。クリエイターの意図する演出表現の実現を支援するとともに、業界標準のワークフローに対応し、さまざまな環境で利用できる。さらに、撮影前のシミュレーションや撮影時のLEDディスプレイの色補正などを行える「Virtual Production Tool Set」と連携することで、より効率的なワークフローを実現することが可能だ。
これらのソフトウェアツールの提供により、映画やドラマ、CM制作などにおけるバーチャルプロダクション向けに、3D CGアセットの撮影/生成/活用を支援する。例えば、数m規模の大型LEDウォールやリアルタイムレンダリング環境での使用を想定した、プロダクション品質のフォトリアルな3D CGアセットの効率的な利用が可能になるという。
XYNは2025年1月に発表されて以降、同年11月に開始した空間キャプチャーソリューションのβ版による先行活用の知見を基に開発を継続している。今後はアプリケーションのラインアップ拡充や機能追加により、バーチャルプロダクションだけでなく、ゲームやアニメ、建築、製造、デジタルツイン、文化財のアーカイブなど、より幅広い分野での活用を目指す。さらに、各業界の標準的な3D CG制作ツールやゲームエンジンとの連携を想定したプラグインやサービスも順次拡充し、シームレスなワークフローの構築に貢献するとしている。
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