気体状次亜塩素酸で付着ウイルスを最大99.9%不活化:医療技術ニュース
パナソニック 空質空調社は、実際に人が利用する室内環境において、気体状次亜塩素酸を用いた付着ウイルスの不活化効果を確認した。インフルエンザウイルスA型は99.9%、エコーウイルス30型は99.0%不活化した。
パナソニック 空質空調社は2026年3月17日、群馬パース大学と共同で、実際に人が利用する室内環境で気体状次亜塩素酸を用いた付着ウイルスの不活化効果を確認したと発表した。実験では、インフルエンザウイルスA型(H1N1)を99.9%、エコーウイルス30型を99.0%不活化することを観察した。今回の成果をもとに、同社は感染症リスクを低減する「感染制御空間」の構築を目指す。
研究は、群馬パース大学内の約56畳(約260m3)の実習室を用いて実施された。実験では、回転式除菌フィルターに約100mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸させ、一定の風を送ることで気体状次亜塩素酸を揮発させる装置を設置した。
24時間後のウイルス感染価を測定した結果、自然減衰と比較して有意な不活化効果が認められた。
対象となったのは、インフルエンザウイルスと、髄膜炎などを引き起こすエコーウイルスの2種類だ。解析ソフト「STREAM V2025.1」を用いたシミュレーションにより、気体状次亜塩素酸が空間全体に拡散していることも確認した。
次亜塩素酸は強力な酸化剤の1種で、菌や臭い物質から電子を奪うことでその作用を抑制する特性を持つ。同社は約40年にわたり次亜塩素酸技術を研究しており、2025年1月には同大学と共同で浮遊菌および付着菌の除菌効果に関する研究を実施している。今回はその範囲をウイルスまで拡大した。
今後は、実際の室内環境におけるインフルエンザ罹患率減少の有効性など、疾病抑制に向けた研究をさらに深める計画だ。
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