三菱重工と商工中金、脱炭素の費用対効果を可視化し中小企業のGX推進を支援:製造マネジメントニュース
商工組合中央金庫と三菱重工業は、中小企業の脱炭素推進に向けた枠組みの構築で合意した。両社の支援ノウハウと省エネ技術を融合し、費用対効果を可視化するツールなどを通じて脱炭素と事業成長の両立を支援する。
商工組合中央金庫(商工中金)と三菱重工業は2026年3月12日、中小企業の脱炭素推進に向けた新たな枠組みを構築することに合意したと発表した。商工中金が持つ脱炭素支援のノウハウと、三菱重工業が自社工場で培った省エネ技術を相互に提供する。脱炭素と事業成長の両立という課題を解決し、国内産業のGX(グリーントランスフォーメーション)推進と競争力強化に貢献する。
政府のGX推進戦略により、2026年度から排出量取引制度(GX-ETS)が本格稼働するなど、CO2排出量に価格が設定される社会が到来する。一方で、多くの中小企業は脱炭素経営によるコストメリットや具体的な成果が見えにくいという課題を抱えており、省エネも十分に進んでいない現状がある。
今回の提携では、三菱重工業が自社工場での排出削減計画策定に用いてきた「MACカーブ」を活用。MACカーブは、CO2排出削減に向けた各施策の費用対効果を客観的に可視化できる手法だ。三菱重工業は、この手法を専門知識がなくても利用できるよう簡易的なツールとして整備した。商工中金はこれを基に、中小企業の実情やニーズを反映したツールへと高度化し、具体的な提案につなげていく。
商工中金は、2026年度からは自社および投融資ポートフォリオのGHG排出量について、2050年までのネットゼロ達成目標を設定する予定だ。今後は認証支援に加え、ツールを用いた費用対効果の提示やサステナブルファイナンスといった金融支援を組み合わせ、一気通貫で脱炭素経営を支援する。
両社は、中小企業の脱炭素化には政府や自治体、エネルギー事業者、設備サプライヤーなど、多様な組織との連携が不可欠であるとしている。将来的には各業界のステークホルダーを巻き込み、多くのソリューションを集約できる枠組み作りをリードしていく方針だ。
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